第17話 ようこそ ベルフラワーへ

聖堂横の小道で セバス様を乗せた馬車の後ろ姿?にお辞儀をした。


頭を起こすと 頭上からドラちゃんが「登ってこーい」と言わんばかりに首を上下に振っている。


実は王宮からセバス殿の屋敷の上空まで、ドラちゃんに送ってもらい、

私がドラちゃんの背から飛び降りた後、ドラちゃんは 聖堂の屋根の上で待機していたのだ。


さすがに 地面から300m上空まで一人で飛び上がる脚力も魔術力もないので、

ひも付きのボールを魔力込みで投げ上げ、ボールを口で受け取ったドラちゃんが首を振る力と紐を通して伝わってきたドラちゃんの魔力に助けてもらって、ドラゴンの背にまたがった。

 街中でドラゴンに乗降するのはいろいろと気を使う。


ドラちゃんにまたがって一路東へ。

 途中 人里離れた空き地があれば そこでドラちゃんと休憩方々反省会をやりたかったのだが・・・ 場所がない。

 人気のない森はあっても そこには ドラゴンが下りる場所がない。


しかたがないから、境界にで待っているであろう15人を引き取って領内に引きこもってから 反省会をやろう。


あ、いけない リンド国王陛下に 修道院の名前が決まったことを報告しなくては。

などと考えているうちに、境界へついてしまった。

 (いけない 過労で頭の働きが鈍っている)



・・・・

「ベルフラワー」この呼び名を忘れないようにしなくては。

これからは「我が領」では「ベルフラワー」と領地の事をよぶことにしよう。


 ベルフラワーの境界線には 15人の集団が居た。

  よかった 人が増えていない 兵士の姿も見えない。


「おかえりなさい」子供たちが駆け寄ってきた。

「ただいま。」

「おかえりなさい」大人たちも私を取り囲むようにして 頭を下げる。

「あれからどうだった?」

「遠くに人影が見えたような気もしたのですが、あっちとこっちに」と境界線にそった南側と 北西の方向をさす、

「俺たちのところまできた者はいませんでした」

「そう ではこれから我が領に入りましょう。

 ここに入ったら しばらくの間リンドに戻ることはできませんが 覚悟は良いですか?」

「はい!」

「じゃ 荷物をまとめて 忘れ物のないように!」

皆が荷物を持ったのを確かめ

「この建物は壊しますよ。少し離れて」と声をかけ 即席小屋を撤去して元通りの更地に戻しておいた。


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