第31話 火星移住計画
火星に人が移住し始めてから、20年が経った。
しかし決してその計画が順調にすすんだわけではない。
火星にも土があり、大地の下には氷があって、水が調達できる。
といったところで、植物は育たない。
地球にいたときは、自然に微生物が色々とやってくれたけれど、
火星の土壌にはいないからだ。
当初、人間の糞便をつかえば肥料も足りる、と考えていたが、
それではまったくうまくいかなかった。
食糧事情はいつも悪かった。
だから、誰かが死ぬといつもパーティーだった。
だって、久しぶりの動物性たんぱく質だから。
そのうち、死ぬ人は遺言を書くようになった。
どんな料理にして欲しいのか? どの部位から食べて欲しいのか?
そして私はこう書いた。『姿焼き』
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