第20話 白線

小学生のころ、横断歩道の白線だけを歩いて渡ったり、


色違いのタイルがあると、同じ色のタイルだけを踏んで歩いたり


したことがないだろうか?


周りからみると、何が楽しいのか? というレベルだろうけれど、


そのときは自分なりのシナリオがあるものだ。


白線以外のところは水で、落ちたら溺れちゃう。


色違いのタイルを外れると、地獄に落ちる、とか。


小さい子供の考えることなので、想像力なんてその程度。


でも、小さい子供の注意力だから、それこそ


変な渡り方をしていると、横断歩道を渡り切れずに、


車に撥ねられて命を落としたり、


同じ色のタイルを踏んでいたら、誰かにぶつかって怒られたり。


え? 怒られるなんて、大したことない?


そんなことはない。交通事故で死ぬ子供より、


大人に殺されて命を落とす子供も、今は多いんだよ。


大人が人間としての質を落としているからね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る