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この章を読んで、柊さんの心の葛藤が、『ジュールの森』のジュールのようだと思いました。
ジュールがヤンとの同棲生活中に、抱えていた問題とは違いますが、一緒にいても隔たりを感じてどんどん深みにはまっていく……。
コロナという魔物に外出制限措置を取らざる負えなくなった状況がそうさせたのでしょうが、なんか共通するのもを感じてしまいました。
柊さんにとって、全く違う心境だったらごめんなさいね。
私の中に「ジュール」がまだずっと存在していて、時々、現れてくるんです。
ここを読みながら「あっ!ジュール……」って思ってしまったんです。
これは約2年位前の事でしょうか?
今のパリはマスクが外せているのでしょうか?
日本はまだ、マスクを使用中です。
作者からの返信
コメントを拝読して「あっ鋭い!」とドキリとしました(^^;
そうですね、誰かと一緒にいることは有り難いはずなのに、自分だけ落ちるような、表面だけ繕わなえばならない苦しさというか。自分の中に籠ってしまうところとか劣等感は多分性格でもあって、こういう状況になると頭をもたげるんですね。
「ジュールの森」を書いたのはもっと前ですが、この感覚は共通しています。このエピソードで想起して下さったとは嬉しいです。ずっと覚えていてもらえるのって幸せです。
これは2020年の5月ぐらいかと思います。
もうパリではマスクはつけてないですね。地下鉄で少しつけている人がいるぐらいです。
約二年前のフランスの規制は相当厳しかったと記憶しております。コロナ鬱という用語もメディアで見かけるようになりました。とても精神的にしんどい時期だったと思います。オミクロンやらオミクロンがさらに変異したものやら、まだまだ予断を許さない状況が続いていますけれども、是非心身ともにご自愛ください。
作者からの返信
一回目のロックダウンからもう2年ぐらい経つんですよね。あれから世の中が色々変わったなあと心底思います。それでも人間って慣れるというか、適合していくもんですね。
お言葉ありがとうございます。日本でもこちらとは違うプレッシャーや生きにくさがあると思います。まさに心身ともに大事にして日々を過ごしたいですね!
物理的にも心理的にも近いところにいるからこそ、心地よいバランスの距離感が難しくなることもありますね。
特に「出られない」という逃げ場のなさ。もう一年ほども前の話ですか。
家にずっと閉じこもっているうちに、自分自身も自分の殻に閉じこもってしまう。
見たくない、聞きたくない。そんな気持ちを抱える人は沢山いたのではないかと思います。
外へ出て、少しずつほぐれ始めた描写に、やっぱり柊さんの文章いいなと感じました。いつもより遅れて春が来てくれたような。
街と一緒にリハビリしたいなんて。街もずっと寂しかったでしょうから。
嬉しいというより、ほっとしたような。マスク無しでセーヌ川の風を感じたいですね。
作者からの返信
コメントありがとうございます。もう一年前の話ですが、今も三度目のロックダウン中というこの長さ(笑)
この頃は本当にやられてまして……。
苛立ちを相手にぶつけてはいけないとお互いに思っている窮屈さがありました。そうすると話すことができなくなって自分の殻に閉じこもることになるんですよね。でも、本当に一人になっていたらもっと病んでいたでしょう。
リハビリという言葉は、本当にそういう感覚でした。急に元気になるのではなく、ちょっとずつ動き出して。街もそういう感じでした。
今は入院と退院を繰り返してるような状態ですねえ。店は閉まってるのに自由に出歩けるのも変な感じです。
こういうことに慣れるのもどうかと思いますが、適応していくしかないですね。マスクを取れるのはいつでしょうか…。
鬱々した気持ちや行き場のない感情、感傷的な思いを綴った文章にも関わらず、爽やかな風が吹き抜けるような読後感。柊さんは文字を書く上で、自分との距離感をとるのが上手なのでしょうね。
今はココロ動いていますか?
世界は色鮮やかに見えているのでしょうか?
作者からの返信
これを書いたのは9月なんですけど、数か月前の過去のこととしてだから、距離を持って書けたのかも知れないです。自分の内面をどこまで書いていいかは躊躇します。でも旧作を一気に掲載して、この後にしれっと新しいものを書くのに違和感があったので少し吐露した感じです。この文を肯定的に取ってもらえて嬉しいです。
自分と文章との距離感は他の方のエッセイでも勉強になりますね。
現在、どうでしょうか。同じ状況が長引いているだけなので、慣れただけかもしれませんね…。
でもこのサイトは今すごく励みになっています。読むこと、読まれること、言葉を頂くこと、全部本当にありがたいです ^^
共に暮らす人と、いつでも仲睦まじく穏やかに幸せを分け合うなんて、とてもできないことではないかと……そんなことを、私も思うことがあります。
毎日すぐ隣で過ごすから、衝突やすれ違いが生まれるのですよね。もっと距離のある他人となら生じない不快な感情がもやもやと生まれてしまう。非常事態下でそれぞれに不安やストレスを抱え、それを互いに押し殺しながら過ごす辛さを思うと、胸がぎゅっと苦しくなります……(>_<)
感染症の不安が去り、マスクを取って青空を仰げる日が一日も早く来ますように。心からそう思います。
作者からの返信
新しい話を書き始める前に自分の中でこの部分を消化しておきたかったので、繋ぎ目のような意味で書きました。この頃は色んな事が重なりました。
生活を一緒にする人って、一番甘えが出て、一番甘えてはいけない人なのかも知れないと思います。相手を自分の感情のスポンジにしてはいけないと思うものの、ちょっとした態度に出てしまったり。
今もロックダウンをしていますが、経験から学べたことはあると思います。教訓にできれば何事も前向きに考えられますよね…きっと。
本当に、マスクを取って暮らせる日が早く来るといいですね。
大変だったんですね、( ; ; )
価値観が変わる中、自分自身と向き合うには長く辛く
どうしようもない日々でしたね。
こちらの自粛は生温く籠の鳥でも、自分で勝手に外に出られました。
公園を夫と娘と散歩して、私の求める幸せってこんな身近にあるんだと気づきました。春の風を感じて、花を愛でるだけのちっぽけなもの。
リハビリはゆっくり、ゆったりで……。
柊さんは美しいものを生み出す心をお持ちだから、フィルターが多く必要です。^ ^
作者からの返信
フランスは「国の命令」ですが、日本は法律でそれができないと聞きました。自分で決めなければいけないというのは、自分で責任を取れと言われているような感じもしますね。それも難しそうだなと思います。
ご家族での静かな時間、想像します。忘れがちなことに気付かせてくれるというのは前向きで素敵なことですね。
それから沢山の星を頂き、とても嬉しいです。元気をもらいました。ありがとうございます!
つらい時間お過ごしでしたね。いろいろ、お察しできる部分もあります。私なりに激動の数か月がめまぐるしく過ぎてゆき、いまもまだ慣れずにいるところです。変化は容赦なく訪れますね。
たしかに街も人々も、リハビリ状態なのかもしれませんね。
しんどい時も、つらいときも悲しいときも、否定せずに気持ちを味わうこと、大切だと思っています。
作者からの返信
コメントありがとうございます。本当に変化は容赦なく訪れますね。神原さんも難しい時期をお過ごしだったのではないかと思います。まだ慣れない。慣れたくないですよね。
街の様子を見ていると、まさにリハビリだなと思いました。またちょっと厳しくなってきたところですが、一度経験したことは逆に強みにしたいものですね。
マイナスの感情も否定せずにいっそ味わってしまうこと、確かに大切なのかも知れません。神原さんもご自分のペースを大事になさってくださいね。
今年の3〜5月は、本当に嘘みたいな現実でしたね……
私も、子供たちが休みになってしまったので自分の仕事も休まざるを得なくなり、パートとはいえ収入が激減して、代わりに家事と子供の自宅学習監督業が激増して、ろくに出歩けず気がおかしくなりそうでした。
「当たり前」だった生活が、とても貴重なものに思えますよね。
マスクを取って、明るい色の口紅を塗って出歩く日が、早く来て欲しいです。
本作、とても読み応えのある素晴らしいエッセイですね。
表現が的確で、情感溢れるパリの街並みが目に浮かんで見えました。
すごく面白かったです!
作者からの返信
こちらにもコメント下さりありがとうございます。
個人的な内容になってしまいましたが、特にこの期間はほとんどの人が生活を狂わされてしまったと思います。お子さんがいる方はエネルギーを全て持って行かれそうですね…。経済的にもうこの政策はできないと思いますが、ゆっくりでも確実に「当たり前」の生活に戻ってほしいですね。
口紅で思い出しましたが、今こちらでは口紅の売り上げが激減だそうで。確かに、マスクでは…と気づかされました。
エッセイへのお言葉光栄です。そう言って頂けてホッとしました。沢山の星も頂き、励みになります。ありがとうございます!
Fluctuat nec mergitur(たゆたえども沈まず)
やはり素敵な言葉ですね。
紅色と群青の空、雲が靉靆と流れる様子、薄紅色とも紫ともつかない微妙な色を描写する柊さんの文章、流麗です。
味噌汁色のセーヌ河の『濁流』は、さいごの3行の表現が、とても印象的でした。
2020年3月の閉塞感は今なお爪痕を残す禍。心が壊れないように、心の逃がし場所を上手に見付けていきたいものですね。冬空の向こうの春のあたたかさのようなものが、桜の蕾のようなものが、お心に宿りますように。
大聖堂の姿には「此の世に永遠などない」と思い知らされる反面、さいごの姿を印象的に演じ切った勇姿の「永遠性」を感じます。絶望的に潔い美しさ。心から消えない姿です。
『バゲットの味』、懐かしいです。唇を切ったと以前お話したように思います。そのときでしたね。パンペルデュを教えていただいたのは❤ すっかりパンペルデュに嵌まってしまいました(^^ゞ
「もと駅舎」のオルセー美術館の居心地の良さ、伝わってきます。畏まった場所で緊張するよりも、心落ち着く場所で芸術を堪能するのは至福ですね。そして「自分の生活の領域しか見えなくなる」ときに「俯瞰で眺めてみる」ことのできる風景があること、幸せを感じさせてくれる時間は、月並ですが人生の宝物だと思います。ドガの『アブサン』も懐かしいです。何とも言えない懈怠を感じます。
『ロックダウンの痕』は新しいエピソードですね。街もココロも一変して、一息にもとどおりになることはなくて、少しずつ……「リハビリ」という例えに首肯しました。「社会的距離」のみならず「家庭内距離」を最適に保つのは本当に難しいですね。水と緑を求める人々とセーヌ河の眩しさを見詰める柊さん。そのお心が、街に包み込まれて生きておられる「現在」が、既に動き出していることが伝わってきました。マスク着用の義務が解除になる日を祈ります。
レビュー文、再度、書かせていただきたいと思っています。またもや以前の焼き直し感が否めませんが、お納めいただけましたら、さいわいです。纏めてのコメント、長々と失礼しましたm(__)m
作者からの返信
ひいな様、コメントに感服しました。
これまでのエピソードをすべて拾い上げてくださり、ありがとうございます。
以前の掲載時と変えたところも実はあるのですが、その部分を的確についておられたので驚きました。無意識、だったら、正解だったのかなと…自己満足です。
オルセーはもう開いていますが、まだ入る機会がないです。今はとても人が少ないのでゆっくりできそうなんですけどね。
新しいエピソードは個人的かつネガティブなことも書いているので公開しようか迷ったんですが、「リハビリ」の方を重点にしたかったので、載せることにしました。社会的距離もですが、家庭内距離というのは特にデリケートですね。
それから、レビュー文、有難く頂戴しました。焼き直しなんてとんでもないです。見覚えのある文章に懐かしさとあたたかさを感じます。すごくすごく嬉しいです。心より感謝申し上げます。
久しぶりに最初から読ませていただきました。
どのエピソードも、やっぱりレベルが高い!
エッセイではあるけれど、小説と言っても引けを取らない表現力が素晴らしいです。
自粛期間、とても大変でしたね。
私も、楽になった部分もあるけれど、精神的にキツくなった部分もありました。
まだ、完全にもとの状態に戻るまではしばらくかかりそうです。
パリの素敵な風景とカクヨムで、柊さんのお心が少しでも気持ちよく晴れますように(*´ω`*)
作者からの返信
黒須さん、コメントありがとうございます。
一気に最新話まで読んで下さり、感激です。エッセイを書くのは恥ずかしさがありますね。だけどお言葉がめちゃめちゃ嬉しいです。
自分のことばかり書きましたが、どこの国に住んでいても精神的にキツい状況だったし、まだ続いていますよね。
そんな生活の中で少しでも多くの喜びを見つけられることが大事なんだろうと思います。
それから、早々にレビューを頂戴して朝から感激しました。心に沁み渡ると言ってもらえてすごく嬉しいです。活力を頂きました。ありがとうございます!!
こんにちは。今日は10/14/2023なので、柊さんのこのエッセイは3年前に書かれたことになりますね。
1週間前には、この土曜日で外に出かけようと思っていました。
けれど、在サンフランシスコ総領事館と外務省からも、「イスラエル・パレスチナ武装勢力間の衝突に伴うテロの脅威に関する注意喚起」のメールが起きられてきまして、週末は家にいることになりました。
そして、また柊さんのエッセイにきたというわけです。
「外に出ようという気持ち自体がなくなってしまっているのだ。もうこのままでいい。何も興味ない。何も見たくない、聞きたくない。そんな気持ち」
またこういう気持ちになるのがこわい。
でも、先日「精神の均衡」という言葉を教えていただき、暗い穴から顔を出すことができました。
ところで、今日はじめて読者の方のコメントを拝見させていただきました。それに対する柊さんの真摯なコメントも。
おどろきました。
読者の方も、柊さんも、エッセイがひとつが書けるくらいの誠意と情熱を持って書いたり、応えたりしておられますよね。
こういう絆は、ここだけのものなのでしょうか。他のライターさんもそうですか。そんなことはないでしょう、きっと。
私はコメントは付け足しで、あってもなくてもよいもののように思っていたのですが、ここでは読者が市民権を得ていますね。
ここのエッセイは、やさしい読者の愛情に包まれていますよね。
私はこのようなコメントはいただいたことがないような気がしますが、もしいただいたら、苦しくて逃げるかも。そういう性格です。
だから、読者の方もすごいけど、逃げない柊さんも、すごいと思っている今です。
作者からの返信
九月さん、コメントありがとうございます。
大使館と外務省のメール、僕のところにも来てますよ。フランスは高校教師が殺害されたこともあって、政府はピリピリしています。2015年みたいにならないといいんですが。その割にはエッフェル塔を青くライトアップしたりして、もう一方の国の犠牲者にはひと言もないですけど。
コロナとは別の原因ですが引用された文のような気分になりますよね。目を逸らさないうえで自分自身を保っていたいですね。
このエッセイにかかわらずですが、読んで下さる方にとても恵まれていると思っています。真摯に読んで下さるし、書きたいことを汲み取ってくださる方ばかりです。みなさん書き手ですが、人の作品をちゃんと読んでくれる方って、自身もいい作品を書かれますよね。
僕自身はコメントが得意ではないので、小説とかは特に黙って読むんですが、なるべく最後には感想を添えたいなと思っています。
応援してもらえるだけでも嬉しいですけど、ひと言もらえるとすごく励みになりますね。