泡はさみしがり

バブリーなお酒、つまりアワアワワインを飲みすぎたので

アプリ立ち上げ、ネッシー君を呼ぶ


3分足らずで現れた、空飛ぶネッシー君

チョベリグな感じでランディング

なのにネッシー君はノリ悪くてマジマンジ

自分不器用ですからとか、わけわかめ


ネッシー君からリモコンを受取り、家路を急ぐ

早く帰ってワーシャーを浴びて眠りたい


路上ではツチノコ族が踊ってる

それを囲むギャルたちは

合いの手に、ラーの歌を無理矢理ねじ込んでいる

それを通りすがりの草食系男子が、白い目で見ていた


道行くイエティーは電子タバコを吸っていた

グレープの香りが鼻腔をくすぐる

リーゼントを固めたおじさんの頭は

少しだけ寂しそう


ナタデココとタピオカが

取っ組み合いの喧嘩をしていた

まあ、それの、プルプル揺れること


伊能忠敬が、スマホの地図アプリを睨みながら、歩いていた

黒塗りの車から飛び出したペリー提督が

飲み屋のシャッターを激しく叩きながら

開けろ開けろと叫んでいた


卑弥呼さまはホスト狂いらしいって

噂するのは、コンビニにたむろする

暴走疲れの暴走族


ペットショップの中から聞こえるのは

生類憐れみのなんとかかんとかっていう凄まじい大声

店の外のホトトギスと織田信長がびくついていた


卑弥呼さまがネッシー君に乗りながら

幸せそうに笑ってた


ヘイ、ネッシー、私は飲みすぎたの? それを教えて

自分不器用ですから、よく分かりません

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