道化の王さま

王さま、いつの間にか好きでした

もっと心安くいるべきだったのかも知れません

あなたが身を屈めてくれたように


あんなに道化になれたのは

慈愛があったからですか

私には本当のところは分かりません

ですが端々にそうではないかと

思わせる何かがありました


お腹を捩った後も何となく幸せでした

他人を笑って得るようなものとは違う

あたたかい何かがありました


王さま、あなたの歌が好きでした

親戚のおじさんのように親しげに

歌ってくれましたね


父のような厳しさと母のような優しさ

ありふれているけれど

それを他人に与えられないのが

私たちです

なのにあなたはそれを分け隔てなく

与えてくれました


厳しさも優しさも

笑いにかえて

私たちに与えてくれました

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