03 致命的な戦闘をやらかした勇者についての分析

(※ 拙著『Fatal Fight』を読んだ方向けのお話です。まだの方はそちらを先に見てね☆)



 https://kakuyomu.jp/works/1177354054921784274






(1)本文で使われている言語について

(2)本文全訳

(3)解説




(1)本文で使われている言語について


「16進数言語」が使われています(0からFまでの16文字)。数字2つで1文字を表現しており、シンプルに「00」を「あ」として、あとは50音順になっていますので、「ん」は「2D」となります。「濁点」は前の数字を半角にすることで、小文字は2つとも半角にすることで表現しています。特に「1」の全角・半角の区別が付き辛いのがネックだったとは思いますが……そこは勘弁して?


(2)本文全訳


(ひらがな版)


 ゆうしゃがいく!



「ゆうしゃ」はとてもしんちょうなせいかくだった。


 てんせいしすぐにはぼうけんにでず、さいしょのまちで「スライム」だけをたおしてレベルをあげていた。


「スライム」のけいけんちは「2」、そして「ゆうしゃ」がつぎのレベルにあがるのにひつようなけいけんちも、おなじく「2」だった。


「ゆうしゃ」は「スライム」をたおし、レベルがあがった。


 ――「ゆうしゃ」はしんだ。


(漢字版)


 勇者が逝く!


 勇者はとても慎重な性格だった。転生しすぐには冒険に出ず、最初の町でスライムだけを倒してレベルを上げていた。スライムの経験値は「2」、そして勇者が次のレベルに上がるのに必要な経験値も、同じく「2」だった。勇者はスライムを倒し、レベルが上がった。 ――勇者は死んだ。



(3)解説


 16進数言語を用いていることそのものに意味があります。勇者はちょうどレベル「255(FF)」であり、そしてスライムを倒したことでレベルが「256(00)」になってしまったため――死んでしまいましたとさ。昔のゲームは(容量等の問題で)「255を超えると0に戻る」という仕様がよく存在していました。オッサンゲーマーじゃないとピンとこないかもと書いたのは、そういう意味です。


 ちなみに、キャッチコピーを解読すると……



「オーバーフロウ。ちゃんとデバッグしろ」



 という悲しい文言が出現しますw 哀れ勇者は「オーバーフローバグ」の犠牲になってその一生を終えたのでありました。「FF」から「00」になってしまう――まさしく、「Fatal Fight」だったということで。



 オチがつきましたところで、失礼させていただきます。それではまた、来世でお会いしましょう(完)




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