第27話 古き良き時代

「大川教授!

突然の来校にとても驚きましたが・・・

どうしてこのような

提案を私の為に。。


全く理解できません・・


私は普通の女子高生です!

特別な学力も才能もある訳ではなく

ごく普通の学生です!


それなのに日本を代表する

著名な大川教授がわざわざ

会いに来て下さるなんて・・・


おかげで私の学校は

大変な騒ぎになってしまって

正直私・・戸惑っています。。


両親には電話をかけて

今晩、大川教授と堂本さんと

3人で食事をする旨は伝えましたが

これは何の集まりですか?」


「佐竹さん

君を驚かせて

申し訳なく思っている・・

すまなかったね!」


大川教授は

頭を軽く下げた


「ここは私の教え子の店でね!

自然食品を扱っていて

身体に優しくて

とても味が良い!

君に気に入って貰えると良いのだが!」


大川教授は笑顔で

佐竹に席に着くように勧めた


「堂本さんは

君に礼を言いたいと

常々言っていたので

ようやく彼の願いが叶えられて

私も嬉しく思っているよ!」


「・・・・・・

すみません。。

私・・少し気持ちが落ち着かなくて

問い詰めるような言い方をして

ごめんなさい・・・


私こそ・・

お二人にお会いできて

大変嬉しく思っています!


それより堂本さん!

初めてお会いした時

腹痛で苦しんでおられましたが

もう大丈夫ですか?」


「ああ・・ありがとう

私はとても元気だよ!


その切は

君の修学旅行の大切な時間に

私の為に心配してくれて・・

気遣ってくれて・・・

本当に感謝している!


私は当時・・・

人の優しさに飢えていてね・・

路上生活するようになってから

誰からも声をかけられることなく

ずっと孤独に生活をしていたのだよ・・


このまま死んでもいいかな?

とまで思っていたのだが・・

君と出会えて!

生きる気力が湧いてきたのだ!


本当にありがとう!

それに君との出会った日に

私の旧友の大川教授にも再開できて

なにか運命を感じてね!」


「このまま死んでなんて・・・

そのような事・・言わないでください!

これからももっとお元気に

過ごして頂きたいです!


堂本さんは

お幾つですか?」


「70歳だよ!」


「70歳ですか?

私のお爺ちゃんと同い年です!

まだお若いじゃないですか?

人生100年ですよ!


私は17歳です!

まだ人生を語るには

若すぎる年齢ですけど


私は自分が好きです!

人生が好きです!

人が好きです!

家族がとても大切です!


まわりの人が

みんな明るく元気に歩んでいて

私は日々、助けられて

生かされている存在だと・・感じています!


だから私は将来

保母さんか、福祉の施設に勤めたい!と

夢があるのです!


だから福祉の専門学校に行って

保育士か介護福祉士の資格を取ろうと考えています!

福祉の道に歩む事が

私の身の丈にあっている!と思うのです!


だから大学進学は考えていないですし

ましてや日本新大学は

日本トップの大学ですよね!

しかも東京ですし

私は親元離れて

上京するなんて考えられないです!


ごめんなさい!


せっかくのご提案ですが

お断りさせて下さい!」



「佐竹さん!

君は日本が好きかい?」


「はい!

好きです!」


「私は、戦前生まれだが

とても苦労を重ねてきた・・

今の日本は豊かになり!

生活水準は随分高くなったが

古き良き時代が私は好きだ!


私の故郷は

島根県の江津でね・・


とても田舎だったが

素晴らしい村でね・・


みんなが助け合い

笑顔が耐えない・・

まるで家族のようであった・・」


堂本氏は語り続けた

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