ラエルロットは勇者になることを夢見ていて、世間一般では誰でも受かるとされる試験に何度落ちても夢の為に諦めない男です。
そんな彼が全ての災いや悪意、不幸を受け止める黒神子と呼ばれる12人の巫女の1人レスフィナに出会い助けたことで運命の歯車は大きく動き始めます。
異世界に転移し女神様にチート的能力を授かり世界を救ったりする側ではなく、転移される側の元々いた住人である熱く優しいラエルロットの戦いの幕開けです。
彼の能力、黒神子のレスフィナの解放とは? 地球から転移してくる勇者達とは一体……
異世界転移のテンプレに当てはまらないこの物語の結末を一緒に見届けませんか?
あなたはチート能力を得て異世界転移したら何をする?
本当に、その身を犠牲にして世界を救う? 辛い旅に出る? 死ぬかもしれない戦いに、身を投じるの?
異世界に好きな子が出来て、その子が振り向いてくれなかったら? そのまま諦める? 誰かがその子と一緒になるのを見守る?
道で肩がぶつかり、相手が謝らなかったら? 飲み屋で隣の席がうるさかったら? 注意してうるせぇと言われたら、どうする?
正直、いい人でいられる自信がない。
だって、神が気まぐれに与えてくれた力が凄ければ、人はおごり高ぶり、他者を傷つける事をなんとも思わなくなると思うから。
人はやっぱり、悲しみを知り、痛みを知り、誰かの為に得た力だから人の為に振るう事が出来る。
そういうチート授かり作品、確かに面白いけど違和感あるよね? と思っている人、なんか違うんじゃないかなと思っている人、勇者は心優しいとは限らないだろ? って思っている人。
藤田宗磨さんの『遙か闇なる世界』を読んで見てほしい。