第100話 アーシュの詠唱
「いつも時間を巻き戻してあげても何度も同じ事を繰り返すの
仕方のない人 レグルス」ため息一つ
あのオルゴールが
水に半分沈んだ状態でアーシュの足元にあった
「そう言えば レグルスの唱えてたあの呪文は一体なんだ?
あの呪文のせいで・・レグルスは・・・こんな姿に・・」
半身半馬 美しい銀の髪をした女戦士レグルス
レグルスの白い骨の欠片を見つめるアーシュ
「あれは時間の呪文・・・ほんの少し時間をまき戻す呪文なの・・
別の・・本当の時間に肉体が存在する者たち
つまり
今の貴方のように・・
本来あるべき時間でない場所に存在する人達以外が
唱えたなら・・」
「本来の時間にある者が唱えると
時間の波が襲ってきて その肉体を消し去ってしまうものなの レグルスは」
「実はあの時リアンは死んでいたの・・」
「ほんの少しだけ
彼の肉体の時間を戻して、彼リアンを生き返らせ・・助けたの」
「無理な禁じられた呪文の為に レグルスは・・」涙がこぼれる少女
「時々、時間の波の中に砕け散ったレグルスの『心のかけら』・・ほんの一部が現れて彼女はつかの間・・蘇るわ 楽しいおしゃべりをするの
でも 『かけら」だから・・すぐに幻のように消えてしまう
「その話だと・・俺がその呪文を唱えても 本来の肉体の時間とは
ここは違う場所だからレグルスみたいに粉々になる事はないよな?」
少女に確認するアーシュ
うなずく少女バステイル
「どうする気?」バステイルが問う
「その話だと・・
リアンの腕が戻らなかったあたり・・完全に戻るのは
無理かも知れないが んーーー全然無理かもな・・まあいいや」
「粉々になる事もないらしいし・・ま!やってみるか・・!」
アーシュは骨のかけらを見つめ
それから オルゴールを開き、骨を握り締めて
レグルスが唱えていた呪文の文句を思い出しながら同じく詠唱するアーシュラン
オルゴールを中心に光は放たれて、全ては白銀色の光に包まれた
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