第45話 花畑での再会 女騎士のケンタウロス

「もう大丈夫!有難うリアン兄さま」


「ねえ!リアン兄さま 

リュートを聴かせて!

簡易用の小さなリュートを持って来ていたでしょ☆」とエイルさん



「良いよ 待ってて・・」近くに置いた袋から 

小さなリュートを取り出す


「ふふ、わん子さん・・リアン兄さまはね・・

琴やリュートがすごく上手なんだよ!」嬉しそうに笑う


リアンさん・・

僕がはじめて会った時には、もう大人で・・

右腕の半分が戦争でなくしてたよね・・ワン


大人になってからのリアンさんの姿を思い出して、少しせつなくなるワンワン


静かで優雅・・優しい旋律の調べの音楽だった・・ワン。

あ、すやすやとエイルさん寝ちゃったワン


夕暮れの光がエイルさんの寝顔を照らしている


ポカポカポカ・・・馬が何頭か近くに来ましたワン。 


あ!三人・・一人は馬に乗ったエイルさん達と同じ国の人間

お城の騎士・・かな?

もう二人・・あ!鎧を纏ったケンタウロス(半人半馬)だワン!

顔は兜のためによく分からない。ワン


「リアンさま!」 騎乗の騎士が呼びかける


「そろそろお城にお戻りください」


うなずくリアンさん

「ワン子くん 道に迷って大変だろう?明日誰かに送らせるから、

今晩はお城においでよ」とリアンさん


「え!」

「ピッツ!」小鳥のエイルさんも そうしたら・・と鳴く。


リアンさんが短く魔法の歌のような呪文を唱える。

歌も上手いよね

リアンさんの歌に呼ばれて 森の奥から馬が2頭現れる。


一頭にはリアンさんとエイルさん 

もう一頭にはアーシュさん鎧のケンタウロスの一人が 私の背に乗れと合図する


ん・・香水?香水の匂い・・


女性のケンタウロス?


しばらくして、小声で女性のケンタウロスが話しかけてきた・・。


「20年ぶりじゃないか? 

時の扉を超えて 時間を旅したのか?じゃないと、時間的にあわない・・。」


ハッ!とするワン子この声! この声は!!


「ひさしぶりだな・・ワン子、元気だったか?」

背に乗ったワン子に振り返った・・兜の下のその顔はレグルスさん!!!


「レグルスさんですかワン!」


「ケンタウロスは長寿でな、まあ女性には年は尋ねるなよ」。


・・驚き声も出ないワン子と小鳥さんになったエイルさん。


「女性の年齢は 秘密だ」

いたずらっ子のような笑顔を見せる


「どうして?此処に・とは聞かないのか?ワン子」


!ハッとして 「は、はい!どうしてですか!ワン」


「あれからしばらくは、皆で楽しく暮らしてたよ

でも大きな戦いや疫病 

それに一年前の火山の爆発で仲間の多くは死滅した。」


固い表情のレグルス


「生き残りのほとんどは、

この国・・白の国の雇われ戦士として暮らしてるよ。」

チラリと別の馬の背に騎乗したアーシュさんに目をやる


城に来て 彼に会って驚いた


もっととも彼自身、アーシュはまだ、

過去の私には 時間的には会っていない事はすぐ理解した


もう一つ、何故 彼があれほどの炎の魔法の使い手だったのかは 得心いったよ

次世代だったとはね フフフと笑う


「本来なら,明日にでも 

人質として処刑されて殺されてしまう運命のはずだったのに

よほどの強運の持ち主なのだな」


「おそらく無事に生き延びて・・時間の旅で20年前の私と出会う・・とはな」

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