第24話 空手部、始動! そして三人目の生徒相談です
空手部顧問としては『性感帯の魔術師』なんていう二つ名は、正直勘弁してほしいんだがこればっかりはおれが命名してるわけじゃないからあきらめるしかない。
誰だよ、こんな名前つけたやつ…… もう一生マッサージしてやんねえよ。
さて、話を戻そう。空手部である。
現在のところ空手部、部員は二名だけ。ランボとミニオンの二人だけなんだが、実は入部の申し込みは殺到しているのだが、おれが忙しくて面接対応できないのが現状だ。
毎日の宴会続きでそれどころじゃないんよ、はやく終わって欲しい……
正式部員の二人には、空手とは何ぞや? という話から始めた。
その歴史やどういった技を使うのかをひととおり説明して、実際に『形』を実演してやったらもう尊敬の眼ですよ。
「「先生! ぜひ弟子にしてください」」
弟子一号、二号確定である。
そうして数日一緒に練習してみると、案外めきめきと上達する二人である。
護身術にもなり、精神的要素も高い空手の精神を説明したのが功を奏したのか、練習にはいたく熱心である。
おれが顔を出しているときだけを条件に、組手のまねごともやれるようになった。
もちろんこぶしは保護してるし、絶対に全力ではやらないように注意している。
「先生、この形の意味を教えてください」「こういう相手の攻撃はどうさばけばいいのですか?」
なんとも出来のいい弟子を持ったもんだ。まあ、そんなに簡単に追いつかれるものでもない。年季が違うんだよ、ふふふ。
練習も数日が過ぎるころ、王都へ二人を連れていくことを話した。
「「王都!!」」
王都はこの地方都市に住んでいるものにとってはあこがれの都である。
一度は行ってみたいところナンバーワンだろう。
「ぼくは、でも…… 大丈夫でしょうか……」
「心配するな、おれも付いてるし、ミニオンもいる。それに護衛が十二人、お前に危害を加えるやつはおらんさ」
「はい! よろしくお願いします」
一週間ぽっちの練習で空手が物になるわけもなく、知らないよりは知ってた方がいいというレベルだ。間違ってもいざというときに戦ってはならない、全力で逃げろと説明しておいた。
「もう少し慣れてきたら、新入部員募集してもらうぞ。ランボが部長でおれが顧問なら引く手あまただろうけど、変なやつは入れる気はないからな」
「大丈夫です。部長を守るのは、副部長兼マネージャーのわたしの仕事です」
まあ、頼りにしてるよ、ミニオン……
空手部の練習は非公開である。どこで練習しているかも秘密である。そうしないと人が集まりすぎて困ってしまうからだ。
さてと、三人目の生徒相談室行って来ようか……
三人目の相談者は名前をリミュエールという。
いつもの通り対面で話をする。
「ユウ先生、今日は相談に乗っていただいてありがとうございます」
「うん、どうしたの?今日は」
「…… 先生にとっては何でもないかもしれないけど、私にとってはとっても重要な問題だって、最初に言っておきます」
悩みってのは人それぞれだし、他者にとっては何でもないことでも本人にとっては生き死にの問題っていうのはよくある話だ。
出来る限り真摯に悩み相談を受けよう……
「大丈夫だよ、ここで相談してもらったことの秘密は厳守することを誓うよ」
「はい……実は…… 」
彼女の悩みって言うのは、はっきり言って何でもない、問題になるような話でもないし、おれから見たらそんなに言い物持ってんのに何悩む必要あるんですか? って内容だったよ。
これは女性カウンセラーの領分ではないかとさえ思ったんだけれど、彼女は『男性』のおれにぜひとも見て確かめてもらいたかったというのが本音であったみたいだ。
彼女の悩み、それは自身の身体に関するコンプレックスである。
おいおい……って言いたくなるんだよなあ……
ズバリ『自分の乳房は男性に受け入れられる形やボリュームをしているのか?』である。
彼女の希望は、おれに見てもらいさらには触ってみて、男性を満足させることのできるものか教えて欲しい、ということだ。
う~ん…… これって相談室内とはいえどうなの?
『ノット ギルティ』
あれ? 許されるの、これ? でも美少女の胸を公的にお触りできるってどんなんよ……
でもいいか、先方が触って欲しいっていってんだし、それがないと問題が解決しない。
おれの『保証』みたいなものがないと、今後自分に自信を持って生きていけないだろうし……
「じゃ、じゃあ、上着を脱いでもらっていいかな……」
「はい……」
上着の下は普通の白のブラウスである。おれから見たら十分に発達したきれいな形を想像させるおっぱ○である。
「ちょっと横を向いてもらっていいかな」
「こうですか?」
「うん、そうだね」
彼女の胸の脇の下のおっぱいの部分が程よく膨らんでいて、ブラウスとブラを付けた状態では、男が十人いたら間違いなく十人がお相手を望むだろう。
「大きさってさ、大きければいいってもんじゃないし、男の人の好みも千差万別だよ?」
「先生、ユウ先生としては、もしお嫁さんにするとしたらどうですか?」
「なんの問題もないと思うよ。結婚はおっぱ○だけで決まるものでもないさ」
「そ、それでも心配なんです! そんなことが理由で結婚を断られたりしたらショックじゃないですか」
「お目当ての相手はいるの?」
「…… いません。でも、そうなったときに自信を持って相手と接したいと思うのは贅沢でしょうか……」
「いや、そんなことはないと思うな。自信を持った女性は往々にして輝いてる。自信を失った女性は輝きを失うこともしばしばだ……」
「せ、先生に今日、相談してよかったです…… わたしのおっぱい、触っていただけますか?」
「わかった。とりあえずそのままの向きで……」
誰がなんと言おうと美少女の一人である彼女のきれいな裸は十分に引き締まっていて、胸はロケット型とはいかないまでも、やや上向きの乳首がつんととがっている。
「きれいだよ…… わたしが今まで見た中では最高の形のおっぱいだと断言できるよ」
「触ってみてください、先生……」
彼女はそのままおれに正面を向けて静かに目を閉じた。
おれは彼女との間の仕切りの隙間から手を伸ばして彼女の胸にそっと触れた。
おそらく家族以外の男性に触れられたのは初めてなのだろう。触れた瞬間にびくっと肩をゆらした美少女の姿は、犯してはならないもの…… という気持ちにさえしてくれる。
「触り心地や柔らかさはどうでしょうか……」
ゆっくりと彼女の胸をもんでみる……
年相応のやや硬さの残る乳房ではあるけれど、年齢を重ねていけばきっと最高の状態になるだろう。
そのことを彼女に伝えると、ほっとした表情でおれの顔を正面から見据えた彼女だったが、すぐに気恥ずかしいのだろう、下をみて赤くなった。
「自信をもっていいよ。自信をもったあなたが、これからの人生を有意義に過ごしてくれることをぼくは望んでいるし、祈っておくよ」
こうして生徒の悩み相談第三弾は終わった。終わったよ~
次からも毎回こんなんじゃないだろうな…… 勘弁してくれ…… いくら女が好きだからって毎度毎度こんなんじゃおれの『HPはゼロ』よだわ……
後日、リミュエールの親御さんから丁寧なお礼の言葉を電話(魔道具です)をいただいた時にはほっとした。
娘に手を出しやがって!責任とってけっこーんしろ! とか言われたらどうしようかってしばらく悩んだし……
あれから娘は元気に学校へ通うようになりました、と伝えてくれたお母さんの声も安心した気持ちが十分だったので一件落着である。
じゃあ、まあ頑張って次は 宴会と言う名のプロポーズ大作戦第七弾にいって来よう……
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