第124話天雲の よそにも人の なりゆくか

業平朝臣、紀有常が娘に住みけるを、うらむることありて、昼は来て夕さりは帰りのみしければ よみてつかはしける

                                 紀有常女


天雲の よそにも人の なりゆくか さすがに目には 見ゆるものから

                     (巻第十五恋歌五784)


業平朝臣が、紀有常の娘と暮らしていた時に、気に入らないことがあって、昼に来て夕方には帰ってしまうようなことをしていたので、詠んで送った。


空の雲が遠く離れていってしまようなことが、人にもあるのですね。

それでも、姿だけは目にするのですけれど。


普通は、夕方に来て、朝に帰るのが普通。

しかし、どんな事情かは不明であるけれど、業平は妻の意に背くようなことをしてしまう。

妻からすれば、「浮気でもしているの?」と文句や皮肉の一つでも言いたい、そんなところだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る