第120話月夜には 来ぬ人待たる かきくもり
よみびとしらず
月夜には 来ぬ人待たる かきくもり 雨も降らなむ わびつつも寝む
(巻第十五恋歌五775)
月夜には、来ないとわかっている人でも、つい待ってしまうのです。
どうせなら、空が一面真っ暗に曇って、雨を降らしてくれないでしょうか。
そうすれば、諦めがついて、わびしいと思いながらも寝ることができますのに。
恋人の夜離れが続けば、名月の夜とて、恨めしい。
いっそのこと、雨でも降ってくれれば、来ないとわかるので諦めがつく。
寂しいことには変わらないけれど、何とか眠ることはできる。
なかなか自分勝手な歌と思うけれど、それが恋の特質なのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます