第12話 予想外

俺たちは、何事もなく川へ着いていた。


「そっちいったわよ!」

「それ!」

「なかなか強いわね。でもこれならどうかしら?」


いいんだけどさ、せっかくの川だから遊んでも。


「あれ?空は遊ばないの?」

「仕事だろ?何遊んでんだ?」

「え?旅行でしょ?」


確かにそれが第2の目的だったけども。


「まぁ程々にな」


俺は、水着なんて買ってないし、とりあえずフィールドワークしとくか。てかあいつら、遊んでる姿を見ると綺麗なんだけどなぁ。

俺は、溜息をつきつつあたりの探索に入る。


「ちょっと仕事してくるから」

「遊ばないのー?」

「あいにく準備してきてないんだ。」

「あら、川に行くんだから、普通は持ってくるもんじゃないかしら。もしかして、女の子と遊びに行ったことないのかしら?」

「なに、1本取られたみたいな顔してんだよ。俺は一周まわってね。あれだから。」

「危なくなったら帰ってくるんですよ?」

「心配の声をかけてくれるのはお前だけか....」


逆に、あいつらが居なくてサクサク進むかもな!全然遊べなくて残念とかじゃないし!俺忙しいからね、そんな暇無いの!


.......行くか。



「しかし、透き通った川だよなぁ。小魚は泳いでるし、近くに森はあるけどモンスターはいないし。」


「でも、虫の声1つないなんて。」


森は、物音や鳴き声ひとつせず、不気味なほど静まり返っており、所々木がえぐれていた。


「ここら辺はクマでもいるのか?でも今回はただの生態調査だしな、見ないことには。」


うーんどうするか、何もいませんでしたじゃ報告にならんし。


「そういえば、心強い味方がいるんじゃん!」


でも、そういや最近スマホいじってなかったよな。久々に女神に聞くか。


『チーっす女神、今、川に来てるんだけど魔物が全然いないんだけどなんで?』

〖あら久しぶりね。忘れてるのかと思ったわよ。そうね、なにか近くにやばい敵でもいるのかしら。どちらにせよ注意してね。〗

『なんかキモイっす』

〖は?どゆこと〗

『いや普通にアドバイスしてて、ほんとにあの女神?』

〖あの後大変だったのよ?無理やり送ってたことがバレて大目玉くらったんだから、そりゃ真面目にしないとね〗

『まぁ当然だよな。しっかり更生しろよ』

〖なんですって?!あんまり舐めた口聞いてると天罰を下すわよ。部屋の中に虫が入るとか〗


まぁ仮にも神だし、天罰とかできるんだな。てかしょぼ、まだまだ下っ端なのか?


「でも、仮にも女神だし.....強敵か、一応伝えとくか。」


まさか、俺がいない隙に襲われて泣かされてることなんてないよな?

どうかフラグが折れますように。そう祈る空だった。




「うわあああああああん、あの猿許さないんだから」


どうやら、俺は巻き込まれ体質らしい。


「そんな泣いてどうした。」

「いきなり現れたゴリラに、セリナのお菓子が盗まれまして、それで泣いてるんです。」

「かなりの大物だったわね。」


怪我がないのはいいが、子供か....。こいつこんなんでも大人らしいからびっくりだよな。


「許さないわ!逆襲するのよ。徹底的に!」


うーん。生態調査だから、軽く遠目からでも確認した方がいいか?しかし、危ないしなぁ。


「さぁ準備するのよ!たおすのよ!」

「お前は、自分のこととなると早いよな。」


最近は連携が取れてきたし、行けるか?いざとなったら逃げればいいし。


「良いんじゃないの?多分彼女、やらないとうるさいわよ?」

「私は構いませんが、大丈夫ですかね?」

「分かった。いいか?遠目から見て確認だけだからな?倒すのはまた後日だ。いいな?」

「うーん」

「なんだその不満そうな顔、俺たちみたいなへっぽこパーティじゃ、負けるかもしれないんだぞ?」

「大丈夫よ、私に奥の手があるわ。」

「本当だろうな、怖いんだけど」


なんでこいつ、こんなに自信満々なんだ。本当に奥の手があるのか?いやでもセリナだぞ。


「いざとなったら、ダークネスで目くらましも出来ますし、今はグレアさんの援護魔法もあります。力試しには、ちょうどいいのでは?」


めちゃくちゃ心配だ。確かにグレアはまだ優秀な範疇だ。しかしセリナやティアと仲がいいのが、とても不安なんだよな。でも、ここで大物を狩って、一旗あげるのも手か。


「よしお前ら、俺の言うことは聞くんだぞ。」


大丈夫だよな?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る