第11話 寄り道

「ったく.....不安になってきたから、少し近くの村に寄っていいか?」

「いいわよ、私なにか食べたーい」

「確か、リドリ村でしたっけ?」


俺たちは少し先まで歩き、木の壁で囲まれた集落に近づく。するとなにやら喧嘩のようなものが起こっていた。


「あんた、僧侶ならもう少しちゃんとしなよ!」

「えぇー?だってお酒美味しいし」

「そんなんだから家賃滞納してんだよ!」

「まぁ、小さいことは何とかって言うでしょ?カッカしちゃダメよ?」

「なんだどぉ?出ていけ!ここにお前の家はもうない!」


シュンとする様子もなく、どうしよっかーとボヤいている。


「なんかアイツやばそうだぞ?近づかない方が」

「そ、そうですね。かなり肝の据わった人ですね。」

「でも面白そうじゃない?あんな人がパーティにいれば、楽しくなりそうね。」


不味い、惹かれ会おうとしてる。止めねば。


「ほら、早く買い物だけ済ませてこの村出るぞ」

「まぁ、そうですね。クエストの途中ですしね」

「残念ね、このパーティには僧侶が足りないのにね。」


おいお前。


「おや、呼んだかしら?」


目を輝かせて歩いてきたのはさっきのお姉さん。

もういいですよ?この後の展開なんて分かってますよ?


「私の力が必要?良ければ言ってたクエスト手伝うわよ?」

「あら本当?是非行きましょう!」

「あはは.....」

「もう、いいです」

「あら、少年緊張しなくていいのよ?」


おめでとう!このパーティにエロ担当が増えたよ!


「とりあえず自己紹介を」

「私の名前は、グレア ラミアス。僧侶で好きな物はお酒とおつまみよ」


なんだコイツ色気もクソもねぇ自己紹介だな。


「えーと、俺は盗賊の空で、こっちが魔法使いのセリア、戦士のティアだ。よろしくな。」

「ちなみに、養ってくれる夫募集中よ、少年」


やべぇこっちみてる。


「と、とりあえず行きましょうか」


なんだかんだヤバいやつの集まりでも、ステータスは高いし多分そのパターンだろ。



俺たちは、村の外に出て、戦略確認のため、手頃な敵を探していた。


「とりあえず、そこのアンデットを倒して、戦略の確認をしようぜ」

「私の見せどころね。まぁ見てなさい、まずは支援するわ。『パワー』!」


おぉ!体の底から力が湧いてくるような!


「よし、いつもの並びだ!グレアは俺の後ろで支援を。」

「まぁ見てなさい、『ファイアⅠ』」

「ちょ、危ないですよ!もうちょっと丁寧に!」


ポンポン無計画に飛ばしているが、これは通常営業だ。てか、ティアに当てんな。


「大丈夫か?『ダークネス』そらどけ!」


時折支援をし、ティアの援護をするが、セリナが当てられないので、あと一手足りないというのが正直な意見だが。


「『アセニス』不浄なる者よ消えなさい!」


確実にアンデット達にダメージを与えている。苦しそうに声を上げる。


「おら!どけぇ!」


無理やり押し飛ばし、アンデットを倒し弱点である頭に剣を突き立てる。


「危ないです、空さん!」


俺の隙に合わせて、アンデットを止めてくれる。なかなか連携が取れてきたんじゃなかろうか。


「あたしもサポートしたい!ほらいくわよ『ボムⅡ』」


新技を誇らしげに放つが、惜しい!俺たちの近くだった。そのせいで吹き飛ばされる。


「うぅ....、まぁ倒せたからいいけどさ。」


その後、グレアが続けざまに浄化し、アンデット達を完全に消し去る。


「とまぁ、これが俺たちのパーティだ。分かって貰えたか?」

「賑やかそうなパーティね」


なるほど、そういう捉え方もできるな。


「このパーティに居たら、退屈しななそうだし。良ければ正式に加入させてくれないかしら?」

「いいわよ!楽しくやりましょう!」

「連携も完璧でしたしね。」

「でしょう?」

「でも、あなたどこの宗教?いちいち魔法がピンクだったんですけど」

「私は、無宗教に近いわね」

「へぇ、無宗教でも行けるんですね。」


おかしい、このパーティに入るというのにまだしっぽを出さない。絶対何かあるはずなんだ。


「じゃあ、遠くのあそこにある川よね?早く行きましょ。」

「おかしい....」

「何がおかしいのよ?」

「このパーティに入るのに、悪い所があまりないんだ」

「つまり、私たちにはあるって言いたいの?」

「そんな!確かにお酒飲んだ後記憶がありませんが。」

「あら空。私に悪い所なんてないわよ?」


おかしい、ここまで順調なんて。でなけりゃこの人は追い出されもしないし、行き遅れても無いはずだ。何かあるはずなんだ。

異世界の波にもまれている空であった。

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