第9話 お酒の席

ボロボロの体を引きずりながら俺たちは、ギルドへ向かっていた。


「今日もギリギリだったわね」

「そうだな....」


あの後、群れも倒せたんだから、一体でいるやつなんて余裕よねとか言いながらセリナが喧嘩を売り、それが他の奴達にもバレ、散々追いかけ回され、さすがにこいつも反省したらしい。


「次からは気おつけましょ....」

「もう無いことを祈るよ」

「いつもこんな感じなんですか?」

「まぁ、たまにね」


たまに、か。まだ2回なんだけどな。しかも、今のところボロボロ率100%という快挙を成し遂げている。


「まぁ、なんだ。殺さなきゃとりあえず合格な。」

「やったー!!!ありがとうございます!」

「ちょ、締め上げないで....痛い痛い!」


状況だけ見たら、美少女に抱きつかれるという羨ましい光景だが、装備の部分がとても痛い。


「あ、そういえば装備つけてましたね。えへへ」


これが夏場じゃなくて、春先ごろで良かった。


「まぁあれだ、今から賞金使ってご飯食べに行くけど来るか?」

「お、いいわね」

「ぜ、是非!」


俺はウキウキする2人を連れて、ギルドまで向かう。見てくれは美人なんだけどなぁ。



「はい、こちらが報酬です。」

「ありがとうございます!」


お姉さんからお金を貰い、2人の元へ駆け寄る。


「じゃあこれが二人の分な。ちゃんと3等分で渡してもらったから、あってるはず。」

「そうね、じゃあとりあえず飲みましょ!」

「おー!」


さっきまでの緊張はどこへやら、ティアは早くも意気投合していた。

もしかして、類は友を呼ぶってやつか?だとしたらこいつにも致命的なところが......。


「あのーすみません!とりあえずこのセット3つで」

「あ、これ人気メニューですよね!」

「そうそう!やっぱり定番よね」

「確か、名物モンスターの肉らしいけど、なんなんだ?これ」


柔らかく、程よく弾力があり、それでいて肉汁もしっかり保たれて、多分かなりいい肉なんだろう。

こういうのは、オリーブオイルめちゃくちゃかけて焼きたいな。もこ〇ちみたいに。


「お待たせしました。ブルブル定食です。」

「あの憎き、漆黒の魔物の肉かこれ」

「お、早いわねじゃあ早速、今回のクエスト成功を祝して」

「「「かんぱーい」」」


そういえば、ティアってまだ子供だよな?お酒とか大丈夫なのか?


「うぃーヒック」


おうふ。

見れば、早くも顔を赤くし酔っていた。


「あらティア早くも酔っちゃったの?」

「そんなことよりぃーなんなんでしゅかさっきの戦闘はぁ!」

「え?どしたの?」

「なんで突っ込むんですかぁ?しかも反省しないって馬鹿なんですか?ばーか」

「は、はぁ」


こいつが、パーティを追い出される理由がわかった。てかセリナも少し面倒くさそうだし。


「それに、空さんも酷いですよォ!初めて来た私を見るなり、子供って言ってたのに足とか胸とかジロジロみてぇー」

「みみみみ見てねーよ。」

「いえ、結構わかるんですよ?変態な目は。このロリコン!」

「ぐぅ」


こいつ、かなり酒癖悪い!絡み酒+正直な心でなお悪い!誰だよこの子にお酒飲ませたやつ。俺でした。


「もぉー聞いてましたけどぉ、かなりでこぼこパーティですよねここは」

「ま、まぁ」

「そうよねぇ、空が好き勝手してるから」

「お前が言うのかよ」

「私から見たらどっちもれす!」

「「はい!」」

「いいれすか?連携っていうのはぁ、相手のことを思いやるところから始まるんレすよ?」

「そうっすね」

「れすけどなんですか?セリナさんを不合格だなんて言って、おちょくるなんて」

「あれは、釘を指したというか....」

「御託はいいんれすよ!」

「そうだそうだー」

「人の嫌がることとか」

「そうだそうだー」

「見捨てるのとか」

「そうだそうだー」

「ぜええぇぇぇったいダメれすよ?」

「そうだそうだー」


外野がうるせぇ!あとで泣かしてやろうか。てか、なに怒る側みたいな顔してんだよお前、逆だろ?


「で、でもさ、酔っ払ってるティアさんも大きな声出して迷惑かけてるんじゃない?」

「人は人!あなたのことを話してるんれす!そもそもそういうことを言うことが.....」


やべぇ地雷踏んだ。



そのありがたい話は3時間ほど続き、まもなく乙女の体重(りんご3個分)+装備(20キロ)を背負って帰る空であった。

やっぱアホは、引かれ合うのかなぁ。


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