第7話 新たな仲間

俺は、少し胸を膨らませながらギルドへ行き、パーティ募集を確認しに行っていた。


「なぁ?どんなやつがパーティに来て欲しい?」

「そうね、あなたは生意気な後輩だから、今度は素直な後輩がいいわね」

「そうだな、俺も無謀な先輩じゃなくて、賢い後輩がいてくれるといいよ」

「なによ」

「あん?」

「まぁ、いい人が来てくれるといいわね」


確かに。これからずっと組むかもしれないパーティだから、やっぱ強い人がいいよなぁ。

俺は、ギルドのドアを気持ち勢いよく開け、軽い足取りで中へはいる。


「あ、そうなんですか。でも大丈夫ですか?あそこなかなか大変そうですが」

「で、でも.....もうあそこくらいしか。」

「あ、来たみたいですよ?」

「よし、私!がんばれ!」


俺たちの前へ、小柄な体躯に赤い髪そして、細い手足。革の軽装備に身を包んだ少女が、おっかなびっくり歩いてくる。

中学生だよなぁ。


「あ、あの!」

「もしかして君は、パーティ希望者かい?」

「あら可愛い子じゃない、大丈夫?戦えるの?」

「だ、大丈夫です。一応戦士ですので。」


確かに、要望通りなのだが、この容姿を見ているととても不安になってくる。


「ちょいちょい」

「なになに?どうしたの?」


俺は、少し離れたところまでセリナを呼ぶ。


「あの子どう思う?」

「そうね、少し大人しそうな子だけど真面目なんじゃないかしら?」

「そうなんだけど、戦えると思うか?」

「そうね、私もすこし年齢的に早いとは思うけど」

「けど?」

「もしかしたら、戦えるかもしれないし1度クエストに連れてってみたら?」


確かに、テストもなしに拒絶するのも可哀想だよな。なんか泣きそうだし。


「よし!君、名前はなんて言うの?」

「私は、ソルディーア ティアと申します!」

「よしティア、良ければ明日テストを受けないか?」

「はえ?クエストですか?」

「そうだ。明日クエストへ行って、良ければ合格ってとこだ」

「そうなんですか、頑張ります!」


よし、気合は十分みたいだ。この分なら大丈夫そうかな?


「あなたが、落ちないように気おつけないとね。」

「グウの音もでねえ。」


俺も準備しとかないと。やばい!





「さて、何をするか....。」


俺は、あの二人とは1度別れ、準備のため街を散策していた。

とりあえず、当てにはなんないけど聞いとくか。


『ちーっす女神様、盗賊で準備するものってなんかあります?』

〖そうね、回復アイテムとか罠とか買えばいいんじゃないかしら?〗

『おーけー、買ってみるよ』


珍しくまともだな。なんというか、ガイド妖精みたいで少しキモイ。

まぁいいか、ようやくサポートらしいサポートなんだから。とりあえず、アイテム屋行って、そっからギルドでスキルとか教えてもらうか。



アイテム屋まで着くと、色とりどりのアイテムたちが所狭しと並べてあり、よく分からない紙から、紫の液体まで様々なものがあった。


「どれどれ.......。とりあえず、これとこれとこれだな。おっちゃんこれ売って!」

「あいよ、おや盗賊さんかい?」

「まだまだ初心者ですけどね」

「そうだったら、これ買ってきな!オススメだよ」


よく分からない紙切れじゃん。


「これはな、スクロールって言ってな、開けて詠唱をすると、その魔法が飛び出るって代物だ。」

「それはいいな!値段は....うわ」


結構するな.....。沢山買おうと思ったけどそんなにだな。


「とりあえず、これとこれのふたつ頂戴。」

「まいどあり」


さて、次はスキルだな。てか、盗賊の特技とか、ゲームとかで使わないからよくわかんないな。妨害系だろうけど。





「あのー、盗賊のスキルを教えてくれる人を探してるんですけど」

「あら空さんスキルですか?」

「なんかいい人紹介してくれないすか?」

「そうですね。1人いい人がいますけど....」

「けど?」

「多分スパルタですよ?」





「私の名前はゲルナ。スキルを教えて欲しいんだって?」

「そ、そうです!」


このお姉さんは、新品の俺には危ない。ホットパンツに、チビTで褐色とか俺に効く。ほんと。


「そうだね....。まずは盗賊の戦い方は分かるかい?」

「いやよくわかんないっす」

「盗賊はね、主に仲間の穴を埋める職なんだよ。」


なるほどなぁ。あれか?紐で縛ったり敵を先に見つけたりとかかな?


「そこで初心者君には、お勧めのスキルを授けてあげよう!」

「え、なんすかなんすか!」

「ちょっと待ってね」


ベタベタと俺の周りの地面を触り、なにか唱えている。


「のわああああぁぁぁぁぁ.....」


身体が宙に浮く。頭が追いつかず、必死に空気を蹴る。

死ぬ?俺死ぬ?


「嫌だああああ。まだやりたいことがあ゛る゛ん゛た゛!」

「おー、すげー。体勢を持ち直したよ。」


し、死ぬかと思った。


「師匠!死にかけたんですけど!」


スパルタって....、お姉さん止めてよ!とんでもない殺人鬼だよこの人!


「大丈夫かー?それが〖罠作成〗だ」


なんて深い....下手したら死んでる高さだし.....。


「ちょ!!底に泥水あるんですけど!」

「まぁねー、熟練の盗賊だからこんくらいは余裕だよ。」

「凄い!さすが!日本一!助けてくれ!」

「分かったよ、ほらロープだ。」


なんとか穴の上まで這い上がる俺を、師匠は笑って見ていた。


「お代はいらないよ。面白いものを見せてもらったからね。」

「そりゃどうも!」

「じゃあついでに教えてあげる。〖ダークネス〗!」

「?!」


ちょ前が見えない、何が起こった?!


「何その踊り!もっとよく見せてよ!」

「何したんすか?!」

「〖ダークネス〗だよ。敵の視界を奪うの。」


なるほどなぁ。すげー迷惑だけど。


「早く解いてくれません?」

「え?やだよ?」

「は?」

「じゃあ最後に、〖罠作成〗」


突然地面に小さな穴が空き、バランスを崩す。


さっきからおちょくりやがって!


数秒後、当たりが明るくなる。その瞬間に、俺は駆け出していた。、


「じゃあね〜今の使い方も便利だから、使うといいよ〜」

「ちょまてゴラァ!」




ハアハア....盗賊だけあって、逃げ足早すぎんだろ!


「ゼーゼー、便利なことは分かったよ」


くそお!納得できねぇ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る