第6話 覚醒?

「今日は、戦力を強化させようと思う」

「ふんふん、どうやって?」


俺は、自分の非力さを感じていた。初心者の町の敵に、手こずっているという事実に。


「あ、そういえば転職するんだったわね。」

「それもあるが、今回は仲間を募ろうと思う。」

「それもいいわね、やっぱり男ってハーレム好きそうだし。」

「いや女限定じゃねーよ、お前に俺がどう写っているか不安だが、やはり人手が足りなくないか?」


主にノーコンのせいだが。


「それもそうね、ここら辺の敵は手強いみたいだし。」

「・・・・・・そうだな。とりあえず募集するか」

「言いたいことがあるなら言っていいわよ?」


こいつ言ったら、絶対暴れるしなぁ。


「パーティ仲間に隠し事はなしよ?じゃないと帰りに、キャッチのお姉さんにデレデレしてたこと、ばらすわよ」

「でででデレデレなんてしたことないし?俺、手馴れてるし?」

「で何?」


絶対逃がさない目をしている。しつこいだろうなぁ。


「お前ってさ、ノーコンだよな」

「え?そんなことないわよ(笑)、当ててたじゃない」

「至近距離だけどな。あれ超邪魔だよ?防御ペラペラなんだから後ろで打てって」

「それは出来ないわ」

「なんで?」

「近づけばいいからよ」


はぁ....こいつは1度、痛い目にあった方がいいな。


「とりあえず書くか....」


目を背けたくなるこいつを横目に、黙々とパーティ募集の紙を書く。


「こんな所か」


『現在、パーティメンバーを募集しています。レベルは問いません。初心者でもokです。役職は僧侶と剣士の方が望ましいです。』


こんなもんか。


「出来たぞー。」

「どれどれ?あれ?ひとつ抜けてるわよ。」

「え?!どこだ?!」

「市民が1人居ますって、って書いてないわよ。」

「うるせぇ!今日転職するんだろうが!」

「ぷぷ(笑)、転職先があるといいわね。」

「お前も新しいパーティメンバーがいるといいな」

「え、ちょ、悪かったわよ!捨てないでよ!」



俺たちは、募集の紙を提出し、転職の神殿へ向かっていた。


「ねぇ、捨てない?捨てない?ほんとよね?」

「冗談だってわかったよわかったよ。」


ちっ、地雷踏んじまった。


「グスッ、あれが神殿よ.....」

「でかいなー。」


結婚式でも挙げられそうなところだなぁー。


「さ、中へ入りましょ」


重厚な扉を開け、中へはいる。


「本日は転職ですか?」

「あ、はい。」

「では、手続きをしますので、料金をお支払いください」

「意外と良心的な値段だなー。」

「ここはギルド公認の神殿だからね。大半はギルドに賄われているの。」


この世界も、意外と法整備は整ってるんだな。異世界だからって、羽目を外さないようにしなきゃ。



「では、順番になりました。前の台座までお上がりください。」


窓から差し込む光が集まる形で、少し幻想的な台座へ上がると、魔法陣が浮かんでくる。

そこのヘナチョコ魔法使いと違って、超異世界っぽい!


「今なんか言ったー?」

「ちょっとなー」


魔法陣が足から頭へ通り過ぎると、頭の中に文字が浮かんでくる。


[汝、新たな力を欲するものよ。汝の新たな力を示さん]

誰だこいつ?そういやなんか、銅像みたいなのあったしあれか?神みたいなもんだし、試しに喋りかけてみるか?


[あのー]

[我に介入してくるのか?!貴様何者だ?]

[ちょっと、異世界からですね、飛ばされまして]

[ああ、あの神の回し者か]

[あいつをご存知で?]

[知っておるよ、腹黒くて、お調子者の奴じゃろ]

[神にも迷惑かけてたか...]


ご愁傷さまです。


[脱線してしまったが、職はどうする?]


ええと、盗賊?がいちばん大きいな。


[ちなみに、大きい文字がお主に向いている職じゃ]


盗賊か、主人公というより仲間③くらいだよなこれ。でも、1番向いてるらしいしなぁ。


[じゃあ盗賊で]

[うむ、ではお主はこれから盗賊じゃ]


再度魔法陣が光り、体がふわりと軽くなる。



「終わったようね、何にしたの?」

「盗賊にしたよ」

「下着だけは盗んじゃダメよ?」

「そんなことしねぇよ!」


とりあえず、盗賊のことは誰かにスキルを教えてもらう時にでも聞くかな。


「じゃあギルドに言って、募集見てこようぜ」


これから待ち受ける、新たな仲間に期待を膨らませ、オレは茨の道を進むのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る