第2ハードモード
「クソっ、いきなり飛ばしやがって.....」
目を開けると、遠くに壁に囲まれた街があり、本で見るような平原が、周辺に広がっていた。
「しかし、ここが異世界か?外国みたいだ。モンスターとかはいないのか?」
お決まりなら、スライムが出てきてもおかしくないんだが.....。
「のどかだよなー」
ボケーッとしていると、腰に見慣れない袋がついている事に気づく。
「スマホに、小銭入れに剣一本.....」
てか、剣とかどう入ってたんだよ。袋の大きさ超えてんじゃねえか、これが異世界ファンタジー?
「しかし、なんでスマホが?」
電源を入れると、某snsアプリだけがぽつんと入ってる状態だった。
どれどれ.....友達のところに、女神の欄があるんだが。なにこれ。
「snsのみのサポートはしないよな!ハハハ」
きっといつかは、他のサポートも受けられるよな?
「とりあえず使ってみるか。」
『あのー女神様、私はこれからどうすれば』
〖ようやく着いたようね、街が見えるかしら?〗
『見えますね、でっかいのが』
〖とりあえず、あそこは初心者の街だから、あそこで適当に稼いでね❤( ´ ▽ ` )ノヨロー〗
『それってどうすれば?クエストでも受けるんですか?』
〖そこら辺は、適当にね。ゲームはやったことあるでしょ?〗
『そりゃまあありますけど....具体的にどうすれば?』
『女神様?』
『おーい』
『👋🏻』
〖私はドラマ見るから〗
おいコラ女神。仕事放り投げてんじゃねぇ。
「しかたない、とりあえず街か....」
とぼとぼと歩き出すと、目の前にぴょこぴょこと、スライムがはねていることに気づく。
あれスライムじゃね?おおお!テンション上がってきた!
「よし!初めての獲物はお前に決めた!」
スライムに向かって全力で切り掛る。しかし、がら空きの腹に体当たりの一撃を食らい、悶絶する。
「くううぅぅぅ..........こいつ!」
怒りに任せた剣は、容易くスライムに避けられ、体当たりを横腹にくらい倒れる。
ちくしょう!全然当たんねぇ!
「こいつ、ぴょこぴょこと!」
当たりそうにないし、どうしよう。1発くらいはぶち込んでやりたいんだけど。
「こいつら、仲間思いなんだな.....」
見ると、辺りには4匹新たにスライムが加わっており、取り囲まれる形になっていた。
「これ、結構まずいんじゃないか?さすがにこれは逃げれなさそうなんだが。」
「そこまでよ!魔物たち!」
まさかそんなご都合展開が!でも早く!
「あら?あなた見ない顔ね!何処の出身かしら?」
「ちょ(ドカ)そんなこと言ってる暇は(バキ)早く助けて!」
「まあまあ、待ちなさいな!」
そう言って呪文を唱え出すが、片足はスライムに絡み取られ、他のスライムも侵食しようとしていた。
「早く!助けてぇ!」
「..........よし!行くわよ〖ボムI〗」
呪文が起動し、足元に魔法陣が浮かぶ。
「これって、死.....
爆発に吹き飛ばされ、モンスターもろとも吹き飛ばされる。
「大丈夫?」
「大丈夫?じゃねえよ!何考えてんだ!」
「あなた頑丈なのね。」
「そうだな!体中やけどで痛いけどな!」
「そっかー、それは申し訳ないことしたねー。」
こいつに、他人を気遣うという気持ちは無いのか。少しも悪びれる様子ねぇし!
「あなた弱っちいのに、なんでこんな所にいたの?スライムって結構強いわよ?」
「でも、見た目はそんなふうには見えないけど。」
「スライムっていうのはね、動きは早いし、魔法以外は効果は薄いから、結構危なかったわよ。」
たしかに、結構たべられかけたよな.....。
「あなた、相当な世間知らずね?いいわ、お姉さんのパーティに入れてあげる。」
「えぇー....」
「何よ、その嫌な顔は。遅くなって悪かったわよ。」
やべぇやつでも、この世界に来たばっかりだし、案内人はいるよな。
「・・・・わかった、俺は天谷空、これからよろしくな。」
「アマヤソラ?珍しい名前ね。私はセリナ ラフィーネ。セリナ先輩って呼んで。」
まぁ、美人な人だし、異世界ものとしては良いすべり出しだよな?中身は少し不安だけど。
「言っておくけど、後輩なんだから私の言うことは聞きなさいよ。例えば、喉乾いたって言ったら飲み物を買ってくるとか、お腹すいたって言ったら....」
不安は的中だった。
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