第74話 シスコン弟の説得
*雄太視点です
日曜日になった。今日は姉とリハビリに行く予定なのだが、いつもと違うことに気が付いた。
姉からリハビリに行こうと誘ってきたことに加え、なぜか物凄いオシャレをしている。服を色々持ってきては、鏡の前でどれが良いかをひたすら考えていた。
最終的には俺に「男の人ってどんな服が好き?」と聞いてくる始末だ。
俺は嫌でも分かってしまう。
今日、おそらく病院に姉の好きな人が来るのだ。
俺は自分の頬を軽く叩いて気合いを入れた。
家から病院までは徒歩で5分ほどだ。姉と並んでゆっくりと歩く。
すれ違う人は老若男女問わず振り返る。
理由は姉が魅力的すぎる以外に言いようがない。
白色のワンピースという清楚、穢れのない純潔、無垢の象徴とも言えるような今ではあまり見ない服である。
そして元から美少女である姉が着ると、まさしく鬼に金棒、リ○クにマ○ターソードである。
俺は姉にその服は決してリハビリに行く服ではないと言ったものの、姉の決意は予想以上に高かった。
そしてこの状況が生まれてしまったわけである。
病院に着くと、姉はまず辺りを見回す。そしてとある方向を見つめたかと思うと頬をほんのり桃色に染めて歩き出した。
俺は数歩後ろをついていく。
姉がとある男の人の肩を後ろからポンポンと叩いた。
そして振り返った男の人の顔を見た瞬間、俺は言葉を失ってしまった。
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