第63話 尋問
「えっ、母さん!?新婚旅行は?」
「パスポートを部屋に置いてきちゃったの」
「おい」
「で、晋也。その子は誰?よく見たら夏帆ちゃんじゃないじゃない。彼女?」
「兄妹なんだし夏帆な訳が無いだろ?そしてこいつは悠斗君の妹の菜月だよ。母さんも会ってるって」
そう、菜月と母さんは会ったことがある。しかも結構頻繁にだ。
俺が悠斗君の家に遊びに行っていることを知った母さんは、悠斗君と悠斗君のお母さんにお礼を言いに行ったのだ。そこで親2人は意気投合し、母さんが仕事終わりに迎えに来るようになった。
一緒に夜ご飯を食べることもあったので確実に会っている。
「え?菜月ちゃん……?本当だわ、菜月ちゃんじゃないっ!」
「晋也ママ!」
菜月は俺のホールドを解除すると母さんのもとにジャンプ、そのまま抱き付いた。母さんも全力で抱き返している。ひしっという音が相応しいくらいな全力抱擁だ。
「あれ?2人ってこんな仲良かったっけ?」
「私が入院してるときよく来てくれたの」
「もう晋也も聞いただろうけど菜月ちゃんに晋也に言わないでって言われてたのよ。黙っててごめんね」
「それは仕方ないしもう怒ってないよ。俺も同じ状況になったら多分そうしてたし」
なるほどなと納得する。母さんはよく知り合いのお見舞いといって病院に行っていた。そのお見舞いの相手が菜月だったのだ。
そう思っていると母に一番聞かれてはいけないことを聞かれてしまう。
「で、なんで2人はベットで抱き合ってたの?」
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