九月二十六日

・一心不乱 一つのことに集中し、他のことは考えないこと。

・体面 世間から見たようす。体裁。

・軌跡 ある人や物事がたどってきた跡。

・画一的 特色や個性のないようす。

・読点 文中の「、」。

・毒牙 毒液を出す牙。悪どい手段。

・根城 行動の根拠とする場所。

・一家言 その人独自の意見。

・据え膳食わぬは男の恥 女性から言い寄ってくるのを受け入れないのは、男の恥だということ。

・陥穽 落とし穴。

・アナクロニズム その時代から外れていたり時代遅れであったりすること。

・枯淡 あっさりとした中に味わいがあること。

・不抜 意志がしっかりしていて揺るがないこと。


実験的に自分と対を成す人とはどのような視点で自分を見ようとするのか、演じてみる。


どうしてそんなに文字に変換したら読点の多いような喋り方しかできないのだろうか。

体面では特技や性格が全く見えずに画一的。

読書、勉強、運動とその場その場で得意不得意に関わらずにひたすらやる。

不抜という何とも偉大そうな語彙を宛がうのが良いのかもしれないが、自身の一家言として「つまらなそうだな」というものを持っている。

或いは、何か重要な見方の陥穽に自分がハマっており彼の本質を見抜けていないのではないのかと疑心暗鬼に陥る。

加えて、一度町内で見かけた時はどこかアナクロリズムを反映したような服を着ており、根城ではどのような生活をしているのかを疑う。


また、今日の学校内での行動も気になった。


彼の隣の席の女子が「友達になろうよ!」とかいう今時は珍しいかもしれない直球な言い方をしたが、彼は「いや、需要、無いんで、いいです」と流す。

そのような枯淡な言動を女子は面白がるのかしれないが、添え膳食わぬは男の恥である。

高校一年、他者の軌跡もろくに霞んで見えない状態なのにも関わらず、そこまで堂々と足を踏み入れる女子の精神力には畏敬の念を向ける。

ただ、見方を変えれば相手の毒牙の有無を確認せずに触れようとする愚行とも捉えられる。


後悔するかもしれないのは相手なのだから俺には関係ないか。

しかし、いい顔するにはそういう場合でも助けないとな。


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