九月二十三日

・気を揉む あれこれと心配する。

・お株をうばう ある人が得意とすることを、他の人がうまくやってのける。

・桃源郷 一般の世間を離れた平和な世界。

・姻戚 婚姻によってできた親戚。

・置き引き 置いてある他人の荷物などを持ち逃げすること。

・ハレ 祭りや年中行事などを行う特別な日。

・破顔一笑 にっこりと笑う。

・花冷え 桜の咲く頃の寒さ。

・ポスト 「~のあと」、「~の次」を意味する。

・色をなす とても怒ること。

・誤謬 間違い。

・血涙を絞る 激しい悲しみや憤りに涙を流す。

・恋は思案の外 恋は常識や理性では割り切れないものだ。


まだまだ花冷えがする初春、今日はハレの日で一日中まるっきり暇なので桃源郷のような日光の祖母の家に訪れている。


「暇」と言っても勉強や積み本の消化などやるべき事は多々あるが、少なくとも勉強に関しては塾で横暴な態度を取りながらも勉強が出来る奴に対して色をなし、血涙を絞って奴の勉強法の置き引き......盗みを行ったり参考書を反復した結果、奴のお株を奪う事に大成功した。


今後ともヘイトを買うんだろうかと気を揉んでいるが、奴の勉強法は完璧だが奴自身に怠け癖があったようで、経験差によって勝利を収めた為に何も文句はないだろうと迷いを散らす。


祖母の家に訪れた理由として、単純に姉の姻戚に会いたかったからである。

姻戚、正確には義兄だが風変りな人なので会うと凄く楽しい。


初対面は姉が自宅に連れてきた時であったが、姉の男癖が異常に悪く、様々な男と付き合っては良心に面会させずに一週間足らずで別れるなど俺が普段から「ポストチャラ男かポスト高学歴かな~」と彼氏ガチャのようなものをやるレベルの状況だったので、男を連れてきたことに家中が阿鼻叫喚であった。


とはいえ、義兄の顔はあまり良いとは初対面で思えず、あれやこれやの策を練って色々な経緯を聞き出そうとしたが絶妙に核心を回避する。

とうとう感情的になって姉に「だぉうしてこんな人連れて来たんだよ!!!」と喚き散らすと「ほ、ほら恋は思案の外だから」とこれまたはぐらかす。


「恋は盲目じゃないのかよ」と俺が喚くと、

「同意義語だね」と義兄が一蹴。


その後、場の空気に耐えられなくなり自室に直行したのを鮮明に覚えている。

が、時間が経過して義兄と打ち解けていくと話が滅茶苦茶巧妙で異質な人物であることが発覚し、今は知識を盗む意識半分、楽しみ半分で話している。


よって有意義なのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます