九月十三日

・藪をつついて蛇を出す 余計なことをして災難を起こしてしまうこと。 It is ill to waken sleeping dogs.

・穿つ 物事の大切なところをきっちりととらえる。 hit the mark

・佳境 一番いいところ。 climax

・稚拙 幼稚で未熟なこと。 unskillful

・沿革 移り変わり。 history

・善後策 物事の後始末を上手くするための方法。 remedial measures

・公僕 広く公衆のために働く者。 public servant

・一分 ごくわずかな部分。 imperceptible

・門外不出 大事にしまって持っていること。 never off premises

・ルーチン 決まっている日常の仕事や事がら。 routine

・アンビバランス 反対の感情を同時に持つこと。 ambivalence

・畏友 尊敬している友人。 respected friend

・岳父 妻の父。 father-in-law

・軌を一にする 立場や方向を同じくする。 concur


―――――岳父との確執によるストレスで、心象世界で「アンビバランス」と戦うことになった一人の公僕の夢。


ああ、本当は稚拙なことだと一分は理解しているのに。

どこか、もどかしい。

ただ、自分の妻に対する独占欲が強いばかりに普段は温厚な岳父の藪をつついて蛇を出すような真似をして。

確かに、畏友と少しばかりの相談をして「もういっそ、良い感じに調整して感情の発露を見せてみたら?」という案に従い感情的になって岳父と話をしたが、


調節が出来なかった......

―――門外不出かつ、具現化されたアンビバランスを凝視する。


でも、毎日深夜までのルーチンで妻に迷惑をかけてるとはいえ、仕方ないじゃないか!!!

―――アンビバランスに右手を食い込ませ、千切り荒らす。指は刃、用途は切断。

こいつの軌を一にする為に片方の極に持っていく。中途半端じゃ何も出来ない。

斬る、繊維を解く、臓物を削る、抉る。

自己の沿革、善後策を練る為にも思考の一極集中は必須。

故に右手を前後に。我の虚像《アンビバランス》ミンチを目的とし、穿つのを完全放棄する。

―――アンビバランスはその状態にも関わらず、語りかける。


「中途半端でいいじゃないか。僕の用途は、両価性の目だ。どう使うんだい?」


―――――――――――――――――――――――――――――――――覚醒した。


ここはシーツがよれよれになったベッドの上。

寝間着は汗で滅茶苦茶だ。


・・・そういえば何で悩んでたんだっけ......


あっ、そうだ。

「君はルーチンで帰りが遅いようだし、妻を実家に帰らせてはくれないだろうか?」っていう岳父の提案だっけ。

すっきりした今の心境じゃ、くっだらねぇ問題だなぁ。


仕事辞めればいいんだよ。


我が専心は妻に~♪



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