第三章 王宮でのお茶会
その①
家族やルーファス様、スタン
今のところ〈マジキャロ〉のキャロラインは登場せず、ルーファス様は百点満点中二百点の
これまで年月をかけて大事に築き上げた関係が、キャロラインがアカデミーに編入してきたらガラガラと
私たちは王太子
私が王太子殿下に……というか、予言でキャロラインに
「ピア、悪いが今回は参加せざるをえない。散々ピアは病弱だから出られないと言ってきたのに、王太子殿下
これまで参加しなかったことで、かえって興味を持たれてしまったようだ。
「ルーファス様、私のせいで気苦労をおかけして申し訳ありません。私、地味に
一言ご
「
「は? えっと……はい」
ルーファス様が口をへの字にされて
* * *
「ピア様! 気を引きしめられませ!」
と、侯爵家でも
「……はい!」
今日集っている人々とは、しょせん来年にはアカデミーで顔を合わせるのだ。私は腹をくくってサラにもう一度身だしなみをチェックしてもらい、深呼吸する。
いざ、戦場へ! と
「どうしました?」
「ルーファス様がお
わざわざ車停めまで来てくれたの?
サラが私にコクンと
「ピア、こんなところまで
ルーファス様はアッシュブロンドの
「ルーファス様、私が不安がっていると思われたのでしょう? ……ご明察です。実は
ルーファス様の前ではこれまで散々弱い私を見せている。
「私のピアは正直者だね。でも私以外にはそんな
そう言うとルーファス様はポケットから小鳥の卵ほどの大きさの、おそろしく
「こちらを貸してくださる……と?」
「ん? 貸すというか、うちの
「そ、そんな恐れ多い!」
落っことしたらどうしよう!? 背中を
「まあ……
サラがボソリと何か言った。ルーファス様がチラリと視線を送る。
「サラ、文句あるかい?」
「いいえ? うちのピアお
サラがなぜかルーファス様に頭を下げる。
「な、何? 私、準備不足でしたか?」
「いいや? よく似合ってる。さあ、では行くとしよう」
ルーファス様が先に降りて、私に手を差し伸べてくださる。私はその手を取って馬車からゆっくりと降りる。ルーファス様は
「ここは
「……はい。邪魔にならぬように致します」
私も囁き返し、王宮に入った。
王宮二階の中広間、
すると、ルーファス様の登場に気づいた人々がざわめく。
「ちっ」
ルーファス様が右手でグイッと私の腰を引き、自分の体で興味本位の視線を
「……今の、舌打ち?」
「してないよ? ピア。さあとっとと殿下に挨拶して帰ろう」
ルーファス様に
「ル、ルーファス様、お久しぶりですね」
「……ああ」
前や後ろの
私はルーファス様のお友達? に一礼後は一言も話さぬまま一歩下がる。ルーファス様が対応してくれるので少し
あれは髪色から
それにしても
「皆様ルーファス様と話したがっておられますね。重要なご相談があるのでは? 期待を背負うのも大変ですね。私、少し外しましょうか?」
私が
「……皆が気になっているのは、次代の勢力図に食い込もうとガツガツした人間だらけの中、
ルーファス様はそう言うと周りをひと
「ルーファス!
背後から声がして振り向くと、いつの間にか先ほどの赤髪の男性と、背が高く茶色の真っすぐな髪をポニーテールにした、
不意をつかれてビクッと体を震わせると、すかさずルーファス様が私を背中に
「ヘンリー! あっちに行け!」
そうだった。
アカデミーの体術や武術の授業で
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