幕間2「見鬼の覚醒」まで拝読しました!
主人公・采希の家系は男子が長生きできないと言われている。しかし采希や彼の弟・那岐、それに従兄弟の凱斗・琉斗・榛冴はみんな成人した。
ある日、采希は厄介な女の生霊にとり憑かれる。それが引き金となり、弟の那岐や従兄弟の凱斗同様、霊的な力を使えるようになる。
琉斗や榛冴も霊に触れることとなり、五人はそれぞれの能力に目覚め、悪しきものたちや神々と関わっていくことに――
采希たちはいろいろな事件に巻き込まれますが、それが章ごとに一段落するという形で、だらだらした感じはなくとてもスムーズに読み進められました。
第一章は、とにかく勘違い女の生霊が怖くてゾクゾク!
夢の中で彼女と対話するシーンは、まるっきりストーカーのそれでしたね。
しかも生霊とは。話が通じるわけもなくひたすら厄介!
続けて第二章。
近所のおじいさんの身勝手な恨みから、五人が龍神の生贄にされかけます。
この章で姫ちゃんが仲間に!
三章は、狐と蛇のダブルパンチ。神社巡りが好きな私ですが、お参りするときはちゃんとしようと心に誓いました。
四章は死亡事故の続く踏切の話です。
やはり、不幸が立て続けに起こる場所には何かがありそう……。
巫女様が意外にカジュアル(?)な性格らしいことが判明してなごみました。
五章では、姫ちゃんがさらわれて大ピンチ。命が尽きた桜にホロリと来ました。
第六章。
それまで自分の能力について悩んでいた采希は、自分がいると他の家族に災いが及ぶと考え、また自己を見つめ直すのも兼ねて、一人家を出ます。
たどり着いた海辺の村で知り合った家族が災いに巻き込まれ、采希も大ピンチに。
自分たちに危険が及ぶのを承知で助けに来た四人に心を打たれました。
采希だけではなく、他の四人も自分の能力や立ち位置について考えたり思い悩んだりしています。
物語を通してそのあたりが少しずつ描かれていて、各エピソードとともにとても読みごたえがありました。
登場人物が多めで、メインの人間キャラだけでも五人いますが、きっちり作り込まれていて全く戸惑いません。
眷属たちも個性豊か。ちょろきちちゃんが可愛くて好きです!