第25話  ごめんね

ホンモノの愛情なんて知らないんだ


どんな言葉をもらっても


この心にはまる前に泡のように溶けていく


なんでここに届かないの



あと少しなのに 目の前でいつも消えていくよ



あと何度見送ればいいの



このピースはいつになれば埋まるのかな




わかんない わかんないよ


だれだけ大切だって言ってくれても


どれだけ好きだって言ってくれても



なんで透明になっちゃうの


なんでこんなに哀しいの




ひとりの時が長すぎたから


いつかさよならされるのはもっと辛すぎるから


君に言われるくらいならぼくから手を振るんだ




平気だよ 元気だよ


優しい君の未来に影は落としたくないから


大丈夫だよ 幸せだよ


君は早くぼくを忘れてどうかその先で笑っていてよ



…これがぼくにできる君への精いっぱいの恩返しのつもりなんだ





ごめんね。

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