第23話 いかないで

君のことは知ってるよ


「大丈夫だよ」が口癖で 恥ずかしがりなとこ


優しそうな顔して意外と頑固なとことか



……実はここにはいないってこともさ。





目を離したなら次の瞬間には


笑ってあの空に飛んでいそうで


酸素に溺れている 君はほんとは




…どこにいますか








つかめない




どれだけ大切だって言っても


どれだけ必要だって言っても



届かないよ



君は平気で 必要ない存在 と言う


君は笑顔で さよなら と手を振る





どうしたらわかってくれるのか


考えれば考えるだけその心がどれだけ遠いか知るよ


ねぇ


君が望んでさえくれたらぼくは何度でも迎えにいくのに


ねぇ


それを苦しそうに笑いながら君は手放そうとするから






笑ってないで話してくれよ



逃げないで泣いてくれよ





見えないとこに行かないで



君にぼくを見てなんて言わないからどうか



ぼくから見える場所にいてよ







いかないで














側にさえいてくれたら 君がどれだけ君を嫌ったって

「そんなことない」「必要だ」って言えるのに


見えなくなってしまえばそれすら叶わないから






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