第15話 ぼくらはいつもあと一言が足りなくて


いろんなところにいったよね


初めての言葉もたくさんもらったんだ


してみたかったこともいろいろしたね




君はふと問いかける


「 楽しいかい? 」



僕は答えたんだ


「 そうだね…辛いかな 」



先がないことを知っているから


君と僕を隔てるものがなければよかったのにと恨んでいるから


君のいいところをたくさん知っているから


できればこんな決断したくなかった


この一言の背景なんていくらでもあるもんだ


だけど余計な口をつぐむのさ


嫌いになっただけだと思うのだろう


そしたら僕を恨んでくれるかい


それならすぐに忘れてくれるだろう




君は何も知らないまま


僕は何も言わないまま





ぼくらはいつもあと一言が足りなくて

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