第35話 ふるさとを想えば


こんなはずじゃなかったこと


そんなことばっかりだった



もっと友達でいられるはずだった


もっといろんな思い出をつくっていくはずだった


素敵な恋人ができてしあわせになれるはずだった



そんな、子どもの頃に描いたような


もっと立派なオトナになっているはずだった。



だけど、どれも違った。


愛していたふるさとを立ち


想像もしなかった世界にたっている




絶望の底に沈むほど涙に溺れた夜もあった


だけど


手を差し伸べてくる人にも会えた



想像もしていなかったのは、なにも苦しいことばかりじゃないさ


すべてを失ったからこそ知った


遺されたものの尊さを




だから進もう。


一進一退しながらでもいい


今できることがなくたって、明日になればできることはあるかもしれない





いつか青空のしたに帰る日を夢に




すべてが無駄じゃなかったと胸を張れるように

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