9話 神に関する知識
部屋で一息ついたところで預言を使う。
{どの未来がみたいですか?}
{新たな神との接触をしたい}
{わかりました。1週間後の夜、迷宮ダンジョンの5階層の隠し部屋に行ってください。そこに神---ミネルヴァがいます}
{ありがとうございます}
神---ミネルヴァ様か...。聞いたことがある名前だ。明日にでも調べてみるか...。
翌日、一目散に図書館に向かう。まずはミネルヴァ様がかかれている本っと。俺が本を探しているとそこにはルビアさんがいた。
「あら。クリスさんどうしたの?」
「ちょっと本を探していまして。ルビアさんこそどうしたのですか?」
「ここの図書館はベッカー家が管理しているのでよく私も来るのですよ」
え? まじで? 確かこの図書館ってオージラ最大の図書館だよな? 図書館すべてをベッカー家が管理しているってこと? 公爵家だからすごいとは思っていたけど、ここまですごいとは。
「そうなんですね。神---ミネルヴァ様が書かれている本ってありますか?」
「神が書かれている本は最上階の本棚にありますよ」
「ありがとうございます」
この図書館は地下2階、地上10階建て。10階まで来て思うがやはりこの図書館はでかい。オージラが見渡せるぐらいの高さがありつつ、敷地面積も大きい。一から探していたら今日中には見つからなかった。ルビアさんには感謝しなくちゃだな。
神が書かれている本棚まで来る。本当にいろいろな本がある。アポロ神~ルーナ神まで五十音順で置かれいている。
ミ、ミ、ミネルヴァ様。あった。この本か! どんなことが書いてあるのだろう? まずどのような神なんだろう?
調べてみると本当にすごい。まず知性・学芸・工芸・医療・魔術の神。そして戦争における勝利の女神としてあがめられている。医療ではどんな傷でも治してしまう魔法を持っている。そして知性がすごい。神の中でも5本の指に入るほどの知力がある。
こんな神と会うのか...。アマテラス様と会った時は何も考えずに会ってしまった。あの時は余裕がなかった。それでも神と会う際、失礼なことをしてしまった可能性がないとは言い切れない。だから次から会う神には失礼がないように事前知識を身に付けるようにしている。
「不安だな...」
はっきり言ってなんで俺が預言者に選ばれたのか分からない。底辺職業ってことすらわからない。本当に底辺職業なのか? 神と対話してその力を身に付けられる可能性がある。このこと自体、チートな気がする。なぜ俺が選ばれたんだ?
俺が疑問に思っていたらノエル様が話しかけてくる。
{それはあなたが神に愛される存在だからですよ}
{え? 魔法を使っていないのに話せるのですか?}
{当たり前です。私は神ですよ。 それよりもあなたは私たち神に選ばれたのです}
{それはどういう意味ですか?}
神に選ばれた? この俺が?
{そのままの意味です。あなたは私に選ばれ、他の神にも同意をもらったので預言者になれたのですよ}
{はい...}
{預言者とは数百年単位でしか現れません。そのため歴史上に功績を残した人があまりいません。そのため底辺職業になっているのでしょう}
{...}
{まあ私とクリスは今後パートナーです。よろしくお願いします}
{よろしくお願いします}
俺が神に選ばれた存在? ノエル様に言われたことがいまだに信じられなかった。なんで俺なんだ? 俺は何かしたか? 神に選ばれる要因は何なんだ? 疑問が頭の中をぐるぐると回る。でもノエル様に言われて感じた。俺は神に選ばれたんだ。このこと自体が嬉しくて爆発しそうな気持ちになった。
宿に帰り、迷宮ダンジョンのことを考える。迷宮ダンジョンまでオージラから丸一日間かかる。そして迷宮ダンジョンはE級からしか入れない。最下層---25層はA級以上の冒険者しか入れない。1層~5層まではEランクまで入れる。そのためランクを上げておいてよかったとは思っているけど、一人で大丈夫か? エルミナも呼ぶべきか? そしたらエルミナの方の邪魔になってしまう。エルミナにはDランクに上がってもらわなくてはいけない。
「やっぱり一人で行くしかないよな...」
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