ラブレターをもらい、待ち合わせ場所に行ってみると、そこにいたのは塩対応で有名な美少女だった

第16話

「海君、どうしましょう」

「うーん、そうだなー」

　昨日の反省と次の作戦会議でまた放課後、教室に集まっている俺達。

　昨日の今日で直ぐに思い浮かばなかったし、当人たちも少しぐらいは時間をおいたほうが良いと思い、この事は伝えていない。

「どうしようか。四人で集まっても会話が続かないんだったら、何しても上手く行かないと思うんだけど」

「そうですね。簡単なようで難しいのかもしれません」

　話したいという気持ちはあるのだろうが、その気持ちが先走ってしまって、上手く言葉に出来ていない感じだった。

　お互い聞きたいこともあったが、随分長い間疎遠になっていたこともあり、踏み込んで良い線が分からなくなっているのかもしれない。

　距離を縮めたいが変なことを聞いて嫌われたくはない。何とも難しい関係だ。

　もしかしたら俺達が考えている以上に、難しいことをしているのかもしれない。

「あの二人は疎遠になってしまったのですよね？」

「ん？ああ、そう言ってたな」

「どうして疎遠になってしまったのでしょうか。普通に暮らしていればそうなることは少ないと思うのですが」

「……そう考えれば確かにまだ聞いたことがないな。明日聞いてみるのも悪くないかも」

　まずは初心に帰り情報収集から始めることにしよう。

「いつから二人は幼馴染みだったんだろう」

「それも聞いてみましょう」

「そうだな。後は……」

「関わることが少なくなったのは何故、とかですかね？」

「それを知ることが出来れば手助けできる範囲も広がるかもしれない」

　そうして俺と葉山は、質問の内容をまとめることにした。

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「なあ陽一、少し聞きたいことがあるんだけど」

「どうした改まって」

　今は昼休み。昼飯も食べ終わり少し休憩してから、昨日話し合った事を聞くことにした。

「お前と春風さんっていつから知り合ってたんだ？」

「確か幼稚園の頃に出会って、遊ぶこととか話すことが多くなって、一緒にいるようになったぞ」　

「そうか、じゃあいつから疎遠になったんだ」

「か、海君。そんな直ぐに聞いても良いんですか」

　質問の展開の早さに驚いた様子の葉山。

「さくっと聞いて春風さんにも聞きに行こうと思って」

「そ、そうでしたか」

　納得した様子の葉山。

「うーんと小学校までは普通にしゃべってたよ。けど中学に上がってから話す機会が減って今に至るっていう感じだな」

「何で中学校に上がってから話す機会が減ったんだ？何か事件でも？」

「いや、そういう事はなかったよ。けど、どっちもクラスの人と関わるようになって話すこともなくなっていって疎遠になった」

「クラス、違ったんですね」

「そうだね。多分一回も同じになったことはなかったはず」

「そうか、大体分かった。ありがとう」

「今の話が何かの役に立つのか？」

「もしかしたら、っていう感じだな。ここではっきり役に立つとは断言できない」

「そうか。……ありがとな、二人とも」

「何の事だか分からないな。じゃあ俺と葉山はちょっと予定があるから」

「おう、また後で」

　俺達は教室を出て、春風さんのところに向かう。

　上手く繋がると良いけどと願い、春風さんのクラスに向かった。