上段受け、中段受けを使いこなすには
下段受けに比べれば、まだ使えそうな上段受けと中段受けですが、やはり試合で使う人はあまり見かけたことがありません。
理由は、技の回転が遅いからです。
試してみれば分かりますが、正拳突きを連続して出すのと同じ速度で受けを連続して出すことはできません。無理やり速度だけ出しても力が入りません。
つまり、一撃目はともかく、ニ撃目三撃目を続けて受けることが困難なのです。
だから結局は、ボクシングの技術であるパーリングやブロックに頼ってしまうんですね。
では、上段受けや中段受けが全く使いものにならないかといったら、そうではありません。
なぜなら、空手の受け技は攻防一体だからです。
『相手の正拳突きを受けるのと同時に相手の腕をも破壊する』
そうすれば、相手は激痛のためニ撃目を打つことができなくなります。
これは(めずらしく)道場で教わったことなので、割と知られている話かもしれませんね。
しかし、相手の腕を破壊してしまうような技を仲間内で繰り出すわけにもいかないので、本気で受ける練習を積むことができず、よって試合でも使えない。
おそらくは、それが見かけない理由でしょう。
もし、上段受けと中段受けを実戦で使えるレベルにしようと思えば、とても腕が頑丈な人と練習するしかありません。もちろん、その場合は相手にも練習させてあげなければ不公平ですから、自分の腕を頑丈に鍛えておかなければなりません。
すなわち、部位鍛錬です。
部位鍛錬については上級者向けの話になりますので、ここでは省きます。
筆者も部位鍛錬をしようとした時期がありましたが、あまりの苦行に断念してしまいました。
余程の目的意識がないと、そこまではできませんし、する必要もありません。
…あ、腕にプロテクターを付けて練習するという方法がありましたね。
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