第387話 リムラ村『最後の悲劇』前夜①

リムラ村『最後の悲劇』前夜

ガンメル村長は

ヨーデルを呼び

妖精族の守護者である

妻のルスタとサラと4人で


リムラ村で起きている

数々の悲劇について 話し合っていた


彼ら自身 リムラ村に入り込めず

村全体を覆う悪根の呪縛が酷く

もはや手におえない状況下にある事を 非常に恐れていた


「ヨーデルよ!

何故?我々がガデム村に 派遣されたのか・・

ようやく その意味が分かったような気がする」


「そうですね!村長

11年前 預言者アブラハ様が

我々に会いに来られ 

やがて誕生する最後の巫女様と

この地域の村々を守らせる為に 派遣されたのに


この平凡な村々が 

これ程恐ろしい・・・

最後の審判のような事件が起こるとは

誰が想像できたでしようか?

今のリムラ村は 普通ではない!


いや 預言者アブラハ様は こうなる事を

分かっておられたのかもしれない・・・」


「それなら・・・

我々は預言者アブラハ様の意図を

今回の廃村化の流れに対して もっと早く気付き

対処のしようがあったのかも?しれない・・


しかし今や 我々が 

手におえる状況ではない・・

村人達の多くは 村を離脱したが


残った村人の多くは 狂人化し

まともな精神状態ではない・・


彼らと少しでも接触したものなら

同じように 悪根の呪いが伝染し・・精神奥深くまで狂わされてしまう・・

とにかく 危険な状況なのだ・・・

リムラ村は

初代巫女様が 訪れた 歴史的な村であり

聖なる大地と言われていたが

いまではその面影はない・・・」


ガンメル村長達は 

深いため息をついた。。


そして対策を 練る事もできず

ただ 手をこまねいて 見ているだけしか なかった


しかし 実は本能が! 

神の意志が示す本能が!働き 

『入るな!』と

教えてくれているようであった・・


この判断は 神が

ガンメル村長達が将来 

最後の巫女である葵に仕えるべき使命があるので

事前に特別な神の意志が働き 彼らを守ったのであるが

その事を彼らが 知る由もない・・


≪神の意志は偉大であり! 絶対であるのだから≫



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