第382話 父ダンの変化・・

リムラ村にとって

最悪な日がやってきた!

ついにベルゼブルが動き出したのだ!


イゼベルの実を

投与をされた村人達は 

悪根の呪術にかかりやすくなっており

もはや人としての最後の砦とも言える

良心という灯は消えかかっていた・・・


リムラ村の村人たちを襲い

強烈な精神汚染が始まってしまった・・・


人格は破壊され

互いに誹謗中傷し 

親子の関係は崩壊した 

暴力と破壊 激しい争いへと発展していった


まるで地獄化

そのものであった


しかしダン親子だけは 

様子が違っていた

葵は巫女として目覚めていないとはいえ

内に秘められた聖なる力が 

目覚めはじめていたのだ


ダンはフロスとの接触で

すでに精神汚染がはじまっていたが

預言者アブラハより受けた

妖精族の秘術の効果が残っていた事と


側に葵がいた事で 悪根の魔毒が

全身にまわるスピードが抑えられ

ダンの精神汚染化を防いでいたのだ!


暴徒化した村人達は

すぐにダン親子を襲おうとしたが

ダンの家には聖なる力が 覆われており

バリアとなり、近づく事ができなかったのである


≪何故だ・・・何故あの男は 精神汚染しないのだ!!

少女は まだ巫女に覚醒していないし

あの父親には 確実にイゼベルの呪いをかけた筈なのに・・

どうなっているのだ!!!


しかし父親は勿論

巫女の精神汚染は 時間の問題だ!≫


(ベルゼブルの古の禁断魔術による

最後の攻撃が始まろうとしていた)


◆◇


村人全員は

ダンの家を取り囲むと

各々手に武器を持ち

10日間 家の周りを何度も周回し

呪いの言葉を 放ち続けた


するとこれまで影響を受けなかったダンが

ついに異変が生じ始めた!!


葵は ダンの変貌に気付き

急ぎ 抵抗を試みるが

もはや手遅れであった


「貴様!

俺に触るなぁ!!!!!!!」


ダンは葵の胸ぐらを掴むと

力いっぱい 殴り飛ばした


「・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・すまない・・葵


俺はどうしてしまったのだ・・・」


ダンは葵に手をかけて

すぐに我に返り


泣きながら 

床に顔をうずめてしまった


「うおおおおお!!!」

(何故 葵に手を

かけてしまったのだ・・・何故・・・)


「父さん

私は大丈夫よ!」


葵は 殴られ腫れあがった頬を

摩りながら 父親を気遣った・・

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