第381話 悲劇の前兆②

「フロス!

フロス!無事か?」


「ううううう・・・・」

洞窟の奥から 唸り声が聞こえる!


「ダ・・ン ・・か?

こっちへ来るな・・・

私はもう 以前のような男ではない・・


闇の力が 私を覆っている

私は 無意識に・自分がしたくない事を・・してしまう。。


しかし記憶は 鮮明に 残っているのだ・・


村人達の大切な農作物を荒らし

家畜を襲い 村人を何人も・・傷つけてしまった


そして・・俺は

妻や娘達に対して・・ひどい事を・・

何て事をしてしまったのだ!!!


ダン!頼みがある

俺を!俺を!!殺してくれ!


今は・・自分の意識がぼやけているが

まともな話ができている・・しかし数分後には

再び 人狼化してしまうだろう・・

もう生きては・・・いけない!

これ以上 人々を苦しめたくないのだ!


そこに落ちている斧で

ひと思いに!命を絶ってくれ!!!!!!」


フロスの目は充血しており

獣のように 唸り叫びながら

最後の力を振り絞って ダンに叫んだ!!


「そのような事・・俺に出来るわけがない!」


「ダン!

もう時間がないのだ!

お前が 俺を殺さなければ

俺がお前に 手をかけてしまう!

だから・・・頼む!!!

すぐに殺してくれ・・・・」


ダンは斧を手に取った

しかし 友人であるフロスに

手をかける事など・・できる訳がなかった


その時だ!

人狼化したフロスは

完全に別人となり

激しく叫び声を放つと

地を這い・・苦しみ悶え。。のたうち回った


微かに残る意識の中で 

大切な友人であるダンを守る為に

自らの首を 斧に切りつけ

自害を図ると 大量の血が流れた


「フロス!!!!!!!

何て事を!!!!!!!」

ダンは泣き叫び 

フロスを抱き寄せると・・


「良かった・・君だけは 傷つけたくなかった

友よ・・・俺の娘と妻を・・あとの事を頼んだぞ・・」


フロスは 最後の言葉を 吐くと 息絶えた


「フロス!何故だ!?

何故・・・自害など・・

・・・・・・・・・・・

君の家族は 俺が必ず守る!」


友の死を悲しむダンは 

フロスを抱きしめ 

最後の別れを した・・・


しかしフロスの血に触れた事で イゼベルの実の呪いが・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る