第380話 悲劇の前兆①

「葵 この先は危険だ!

お前は利発な子で 

これまでリムラ村の人達の力になりたい!と

懸命に働きかけてきた事は 知っている・・

父として誇りに思っていたが・・


これ以上はダメだ!

この先にいるフロスは

恐らく 以前のような優しい男ではない

葵に危険が及んでしまうだろう!!」


「父さん・・」


「フロスは私の大切な友人だ・・

彼にはシズとヘルド 

葵と同じ年ごろの娘もおり

良き父親であったのだ・・

それなのに何故? 

獣のように変貌してしまったのか・・


彼の存在が 

リムラ村の脅威になっている。。

非常に恐ろしくあり

悲しくもあり・・とても辛く

残念に思えてならない・・


どうやったら 

助けられるか?

分からないが・・・

彼にかけられた 

悪い夢を覚まさせてやりたい!」


「葵は 家に帰りなさい

父さんは フロスを助けて

必ず家に戻るから!」


「でも・・父さん

私は何だか 

嫌な予感がするの・・」


「大丈夫・・私はこれでも

妖精族の守護者である

預言者アブラハ様に 

祈ってもらった事があるのだ!

だから 簡単には やられはしない・・


私も神を信じる者なのだから!」


「分かったわ!

私も父さんを信じて 

家で神様にお祈りしてるわね!


そのかわり 

必ず無事に戻ってきてね!」


「ああ!

約束するよ!」

葵は ひとり家に帰った



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