第371話 罪人を庇う葵

リムラ村に放火をし

悪臭被害を及ぼし

村人全員の恨みをかった夫婦に対して

葵は身を挺して庇おうとした事が

村人たちの反感を買っていた


「葵ちゃん?

君は 何故そこまで

この夫婦を庇うのだ?


彼らがどれ程

大きな罪を犯したのか?

君も分かっているだろう!


悪い事した者に対して

罰を与えるのは 

当然ではないか?」


「分かっています・・

でも・・待ってください!


私はまだ 10歳になったばかりで

大人の方々に 

意見を言える立場ではないけれど

どうか!どうか!!

私の話を聞いてください!

お願いします!!!」

(葵は必至に叫んだ!!)


「葵ちゃん!

君がそこまで言うのなら

聞いてやろう!!」


「ありがとうございます!」

葵は目を瞑ると

静かに語り出した・・



「人は生まれながら 

罪を犯さない人はいないと思います!」


「どういう意味だ? 

葵ちゃん?

我々 リムラ村の村民は

生まれて このかた 

悪事に手を染めた事など一度もない!


そんな我々が 

罪人だというのか?」


「いえ・・犯罪を犯すとか

法律で 裁かれる事を全てを

指しているのではありません・・


この方々は 

法に触れる事をしたのかもしれない・・


でも人は 生まれて 嘘をついたり

悪い事をしたら 誤魔化そうとしたり

言い訳を しようとしたりするでしょう?」


「葵ちゃん 些細な嘘や

悪い考えくらい 

誰にでもある事だろう?」


「分かっています・・・

でも過ちを 犯した人達を裁くことよりも

彼らが 立ち直れるように 

導いてあげる事が大事だと思うのです!

彼らを赦す心を持つ事は

できないでしょうか?」


「何!?

何を言ってるんだ!

こんな話 聞いてられない!」


すると村人が反応するより前に

捕らえられた夫婦の男が 思わず叫んだ!!



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