第338話 預言者アブラハの決意(16年前)

預言者アブラハは 

これまで大陸エデンで暮らしていたが

夢の中で巫女の母となるソルカが

幻として現れ、リムラ村に来るように

要請したのであった


アブラハは突然の

神からのお告げに 驚愕したが

アブラハ自身 長年

救世主を待ち望んでおり

最後の巫女の誕生に心躍らせ


夢で指示された通り

内密に約束の地である

リムラ村に到着したばかりであった


そしてすぐにソルカの手紙が手元に届いた



「預言者アブラハ様

私は 巫女様の母となる

ソルカと申します!

重要な知らせがあります!

まもなく2000年前より預言されていた

伝説の救世主巫女様が 

ついに誕生されます!


この方が巫女である証拠は

お会いになれば 

すぐにお分かりになるでしょう!


しかし力は封印されています!

なぜなら今 巫女様の力が目覚めれば

近隣諸国で暗躍する 悪根の呪術者に

命を狙われる危険性がありますから!


良いですか?

これから巫女様は

普通の少女としてリムラ村で

育ての父の元

成長していきます!


しかしこれから12年後

リムラ村は襲われ 呪われ

廃村してしまうでしょう!


そして12歳の少女には

耐えがたい苦難に遭う事が分かっています!


しかし全ての苦しみは

巫女として受けるべき

必要な試練となります!


神は耐えられない試練を

与える事は決してなさらない!


いずれ巫女様が 目覚められ

多くの同士を得る事になるでしょう!

そして全ての国々を正しく導き


神に反逆して生きる人々を

正しい道に 立ち返らせる

壮大な神の計画が待っているのです!


巫女様の名は『葵』

12歳の誕生日を迎えるまでは

最後の巫女である事を

決して悟られないように!


影ながら巫女様を

見守ってあげてください!


私は 生まれて20日後に

姿を消す必要があります!


それは悪根の呪術者の目を

私に反らせるため!


そして私は、将来

巫女様が覚醒され

必ず必要となる神具「ノアの箱舟」を復活させる使命を

神から授かっているのです!


だから あなたがた

ルエラ族が 初代巫女様より

歴代の巫女様に 仕えてきたように

最後の巫女様である 葵巫女様を

お守りください!


しかしこれだけは約束してください!

12歳の誕生日を過ぎるまでは

決して 彼女と接触せず

1年間の試練の期間は

影ながら 支えるという事を!

神の名によって 誓ってください!」



「ソルカ様

お約束します!


我らルエラ族は

葵巫女様をお守り致します!」


預言者アブラハは

ガデム村の妖精族の守護者達の

協力を得ようと思ったが

12年の時が経過するまでは他言せず

自身の胸にだけ

秘密をおさめる決意をするのであった!

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