第253話 父ダンの死②

「あ・・あお・・い」

か細く・・聞こえる声・・


そこには

葵巫女が愛して止まない

最愛なる存在父ダンがいた


かつてジキルの呪縛を受け

精神汚染を受け

優しい父が突然豹変し!

狂暴で残虐な存在になった。。


そしてどれ程

葵巫女を苦しめ続けた存在

であった事か・・


しかし今は違う・・

優しい父ダンが

そこにいたのだ・・


「葵・・私は決して赦されない

大きな過ちを犯してしまった・・

どうか・・どう・・か

この愚かな父を赦して欲しい・・・

・・・・・・・・・・・・・・

本当に・・本当に・・・

すま・・・なかった・・


葵・・お前を・・・・・・・

・・心から・・愛して・・いる」


ダンは尽きかける命の中

最後の力を振り絞って・・


葵巫女に謝罪し

『父の愛』を示した!!


今回の死も・・ジキルのように

父ダンが背負うべき十字架であったのか?


父は深く・・深く悔い改めをし

己の過ちを反省していたのに・・

死ぬ必要があるのだろうか?


しかしダンは愛する娘・・

葵を守る為であったなら

命を差し出す覚悟はできていたようだ・・


しかし予想外の父の犠牲に

葵巫女は・・巫女という立場を忘れ


ただひとりの娘として

父の突然の死が・・受け入れられなく

悲しみに・・ただ悲しみに浸っていた


そして愛情深かった父との

大切な思い出の数々が

走馬灯のように・・記憶が蘇ってきていた


「また・・一緒に暮らすのが

私の夢でした・・父さん!!

天国で・・待っていてください!!」


葵巫女は静かに父の瞼を閉じた

ダンは息を引き取った・・


◆◇

   ■

     ◆◇


「さぁ!行きましょう!

大陸エデンへ!!」

葵は少女葵から

葵巫女へとなっていた


自分の為に命をかけて

救ってくれた父の為にも

奴隷として苦しむ

リエラ民族25000人を救う為に!!!

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