第249話  魔具ハルマ②

すると再び

無免の騎士が現れ

先程と同様警告してきた!


≪立ち去れ!

あの方はお前達の叶う相手ではない!≫


呪術者達の恐怖がさらに増幅し

足が前に進まなくなり

動きが止まった!


「何故だ!?何故

足が前に進まないのだ!」


次第に呪術者達の恐怖心が

最骨頂に達し・・・

完全に身動きが取れなくなり

蝋人形のように・・硬直してしまった!!


「うわぁ!!

助けてくれ!

このままでは死んでしまう!!」

呪術者の半数が倒れ

戦闘不能になってしまった!


まただ!

これも巫女の攻撃によるもなのか?」


「ジキル様

これが巫女の呪術なら

魔具を発動し

無効化してください!」


「分かっている!

地下道に入ってから

只ならぬ気配を感じるので

ずっと魔具ハルマを発動しているのだ!!

しかし巫女の力は弱まるどころか

さらに勢いを増している!


「まずい!

このままでは我々は

全滅してしまうぞ!!」


覚悟を決めたジキルは

悪根の強烈な魔力を秘めた

魔具ハルマの能力を強化する為に

自分の身体をナイフで切りつけた


すると激しい血しぶきを吹き

その場に倒れたかと思うと・・・

濃厚な魔力が魂から流れ出した


◇◆


「ウォー!!!!!!」

大声で叫ぶと

ジキルは狂人化し

辺り一面に恐怖が漂った


以前スンツヴァル王都で

市街地がカオス化し

大きな混乱をもたらしたが・・・


今回は人の能力値を

最大限上昇し

生命力を凝縮し

飛躍的な魔力を得る事ができた!


「巫女よ!

姿を現せ!

お前が身を潜めている事は

分かっている!」


するとヴェールを外した

葵巫女が岩影から姿を現した!


「お前が巫女か!?」

ジキルは葵巫女を見た瞬間!

圧倒的な存在感に

地に投げ飛ばされた・・


「あなたが・・ジキルね!

よくも父を・・」

葵巫女は語気を強めて

真っすぐジキルを見つめた


「うぉおおおおお!!!」

ジキルはなりふり構わず

葵巫女に体当たりの攻撃をしかけたが

再び吹き飛ばされ・・

地にひれ伏した


「さぁ!!!!

神の裁きを受ける時です!

覚悟しなさい!!」


葵巫女はそう叫ぶと

地下道が大きく揺れて

壁が崩れ飛び散ると

魔具ハルマは砕け

完全に破壊されてしまった!

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