第227話 二国間同盟②

◆◇


「信じられん!!

何故葵巫女様を

そのような危険な目に!!!」


アダム皇帝は葵巫女が

敵の帆船にひとりで

乗り込む状況が信じられず

憤りを感じていたが

今更攻めても仕方がない・・それより


「どこまで調査は

進んでいるのですか?」


「恐らくアーサー国が

陰謀に絡んでいます!


我が国はアーサー国と

同盟を結ぶ条件として

リヴァイという女性軍団長を

招聘する必要がありました!


軍事力強化の為です!

しかし彼女は好戦的であり

魅惑的で悪根の秘術を用い

僅か数年で軍組織全体を

掌握されてしまったのです!


その為、貴国を含め

近隣諸国と争いが始まり


軍事費拡張の為に

国民に重税を課し

国民は飢えて、生活困窮者が増大し

反乱が多発しましたが

武力で鎮圧した為

国民全体が、疲弊しきっておりました・・


そのような状況下に

葵巫女様が我が国に

立ち寄ってくださり

我が弟サイカを救い

貧民層の国民達を救う為に

尽力してくださった!


また私自身の悪根の呪縛から解放してくださり

長年の悪夢から完全に

目を覚ます事ができました!!


巫女様は命の恩人であり!

我が国に立ち直る切っ掛けをくださった!

救世主なる方です!


我々は葵巫女様と協議を重ね

我が国を混乱に陥らせた

元凶であるリヴァイ軍団隊長を

討伐すべく対策を練っている最中に


葵巫女様の父君が

捕らえられている噂が

流れてきたのです・・

恐らくリヴァイが流した情報でしょう!


しかし我々は

葵巫女様の父君を救出すべく

ロック港より軍艦2隻と

ガレー船10隻を率い追撃を図ったのですが・・


まんまと敵の罠に

ハマってしまったのです。。


今葵巫女様を乗せた敵の帆船は

ピスガ海を越えた辺りのようなので

ステップガザフ砂漠を通過した頃!


「赤い星」の本拠地である

アーサー国へ向かっている事は

間違いありません!」



「そこまで分かっていているのなら

今すべき事は軍隊を差し向ける事では?」


「すでに先発隊は

出発しています!

我が国の精鋭部隊と

貴国のアーバス隊長

そして実は・・・

クリス王子とヒナタさんが

アーサー国に向かっています!」


「クリス王子が?」


「申し訳ない!

アダム皇帝のご子息を危険な目に・・」


「それは良いのです!

クリス王子は葵巫女様と

同行を始めた時点で

今回のようなトラブルは想定内でした!


しかし葵巫女様を

お守りすべき立場なのに

今回のような失態に陥ったのは

クリス王子の責任でもある!

あなたが謝る事はない!」


「アダム皇帝・・・」


「しかしこれからは

事態を挽回しなければなりません!

葵巫女様の命がかかっているのです!!


さぁ!両国連合軍を組織し

アーサー国に向かわせましょう!


もしかしたらアーサー国と

一戦を交える事になるかもしれない!


至急両国軍事会議を!」


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