第190話 MIKOハウスの病

葵巫女一行が出発して

10日が経つ頃

MIKOハウス内では

新たな問題が生じていた


アニーとデル兄弟と

シズとヘルド姉妹が原因不明の発熱が続き

咳と痙攣があり、全身に発疹があり

ベットから起き上がれず

体調不良が続いていた・・・


「大丈夫?

さぁ!冷たい水を持ってきたわ」


「ありがとう!

エルサ王女・・私たちの為に

申し訳ないです・・」

エルサ王女は

デルとシズ、ヘルドを

ラックはアニーの看病を続けていた


「気にしないで!

あなた達は私にとって

大切な家族のような存在

一日も早く元気になってね!!」


エルサ王女は、部屋を出ると

ダイニングのソファーに

倒れ込むように顔を埋めた


「ふぅ~」

エルサ王女はタメ息をついた


「エルサ王女!

大丈夫ですか?

昨晩から寝ずの看病で

疲れているのでは?

少し休んだ方が良いですよ!」


「ラックこそ

疲れているのでは?

顔色が悪いわよ?


それより彼女達の汗が尋常でなくて。。

早く着替えさせないと・・・」


「そうですね・・・」


「アニーの具合はどう?」


「同じです!

しかしどうしてこんなに

汗をかくのでしょう?

普通ではないですね・・

脱水にならないかが心配ですね。。」


「そうね・・・

しかしこれは・・本当に

ただの風邪かしら?


新たな感染病なのか?

原因がまるで分からない・・・

私たちもうつらないように

気をつけないと

共倒れになってしまうわ!」


「そうですね!

それよりエルサ王女

少し顔色が悪いですよ!

昨日から何も食べてないのでは?


僕が軽食作ってきますから

食べてください!」


「ありがとう!ラック

でもラックも疲れている筈なのに・・・」


「僕は男です!

これしきのこと平気です!


でもエルサ王女が

倒れたら大変です!!

アダム皇帝が心配していましたよ!

だから絶対に無理だけは

しないでください!」


エルサ王女はラックの優しさに触れ

ふたりの距離が少し

近づいたような気がしていた


◆◇


「さぁ!エルサ王女

召し上がってください!」

ラックはエルサ王女の為に

ホットミルクとロザニアを持ってきた


「俺はアニーとシズ、ヘルドに

食事を提供してきますから・

ゆっくり食べてください!

それから少し仮眠を

とった方が良いですよ・・


僕がみんなを看病しますから・・・」


「ありがとうラック!

でも・・・出来たら一緒に食べたいな!


ダメ?」


「そうですね・・・

一緒に食べた方が美味しいですもんね!

いいですよ!」


ラックはエルサ王女と

向かい合って、軽食を食べた

(ラックは少し緊張しているようだった)


◆◇


「エルサ王女

この病何とかしないと・・・


葵巫女様が戻られるまでに」


「そうね!]


「明日、王都図書館に

調べに行きませんか?


アニーとデル達は

巫女府治療院の専門家に診てもらって


僕・・以前・・

歴代の巫女様が

不治の病を癒した逸話を

読んだ事があるのです!


昨日からその事が頭から離れなくて

そこに解決の道があるように

思えてなりません!


だからどうしても調べたいのです!


このままでは・・・

彼らはますます衰弱して

命が奪われる事になりかねない!


時は一刻を争います!

だから!!」


「分かりました!

私も手伝います!

一緒に原因を究明しましょう!!


力を合わせて!

必ず!ねっ!!!」


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