第171話 クリス王子の告白

「葵巫女様!

僕達が心を込めて作りました

デムの実のサンドイッチ

どうか召し上がってください!」


「ラック!

クリス王子、アニー

私達がお風呂に入っている間に

デムの実サンドイッチだけでなく

私の好きなアプロスの花を飾って

素敵な空間を提供してくれたのですね!

沢山の心遣い本当にありがとう!」


ラックは

葵巫女を主賓席に誘導した


「お兄さん!

私達はどこに座ったらいいの?」


「エルサは葵巫女様の隣で

その横にラック、アニー、ヒナタさん

そしてシズ、ヘルド、サラさんの順に

座ってください!」


「兄さん!!!!」


「何だよ!」


「いえ・・・別に・」

(ありがとう・・・

兄さんも知っていたのね?

私の気持ちを・・・)


(兄さんは

葵巫女様が好きだと思うけど

気になるのは、ラックの気持ち・・


よし!思いきって

聞いてみよう!!!)


「ねぇ!

ラックは

どんな女性が好きなの?


兄さんは葵巫女様よね!」


「おっ!おいエルサ!

何を言い出すんだ!!」

(クリス王子は真っ赤な顔をし

恥ずかしそうにしていたが

葵の表情に変化はなく、笑顔のままだった)


(葵巫女様

どう思っただろ?あれ?

表情からは読み取れない....)


「エルサ王女!

僕たちもさっきクリス王子と

好きな女性の話を

していたところなのです!」


「えっ?そうなの?

ラックは何て答えたの?」


「みんな知ってる事ですよ!

これまで何度も言ってきたし

ねぇ!サラさん

僕とアニーは前から

葵巫女様が好きだって!

公言していたよね!!」


「そうね!

葵巫女様はラックの初恋の人なのよね!

アニーも初恋よね!」


「えええっ!?

そうなの?」

(もしかしたらそうかも

と思っていたけど

こうはっきり言われてしまうと・・・)


「葵巫女様は

ラックとやアニーに好きだと

言われていたのですか?」


「そういえば何度も

言ってくれていたわね!」


「私を好きでいてくれて

2人ともありがとう!

私も大好きよ!


もちろんエルサ王女も好きだし

デルもシズ、ヘルドもクリス王子も

ヒナタもサラさんも

ここにいるみんな

私にとって大切な人たちですよ!」

(葵巫女は屈託のない笑顔で

爽やかに話すのであった)


「そうか!

そういう事か・・

つまり人として好きであって

異性として・・特別な感情は

ないという事ですか?」


「私は、巫女です!

万人に等しく愛情を注いでいるつもりです!

だから個人的な愛情とかは・・

まだ14歳ですし

正直言って早すぎます!」


「つまり

葵巫女様にとって

特別好きな異性はいない!という事ですね」


「そういう事になりますね!」


「.....................」


「葵巫女様

もし私が誰かを好きだと

告白して、その人が葵巫女様を

好きだと言っていても

私はその人の事

好きでい続けて良いですか?」


「人の心に沸いてくる

好きという気持ちは

とても尊いもの


神さまにお祈りして

御心であれば

最善を道を示して下さるでしょう!


ここにいるみんな

素敵な出逢いに導かれるように

お祈りして行きますね!

エルサ王女の恋も

応援してますね!」


「葵巫女様!

ありがとうございます・・」


エルサ王女は

少し頬を赤らめていた


◇◆


「葵巫女様!

私も告白させて下さい!」

突然クリス王子は

居ても立っても居れなくなり

立ち上がり叫んだ!


「何ですか?

クリス王子!」


「葵巫女様!

私もラック達と同じように

葵巫女様が好きです!

・・・・・・・・・」


「ありがとう!

クリス王子!

私も好きですよ!」

葵巫女は皆と同じように笑顔で答えた


「ではこれからも

好きでい続けても良いですか?」


「ええ!

とても光栄に思っています

ありがとう!クリス王子!」


「さぁ!

告白タイムはこれくらいにして

皆で晩餐のサンドイッチ

をいただきましょう!」

サラが配膳の手伝いを男性陣に促した

そして細やかな晩餐会がなされた


(明日葵巫女がMIKOハウスを

出発する事を知る者は少ない)

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