第170話 葵巫女の過去の傷④

「何だか

お風呂場が賑やかですね?

クリス王子!」


「そうだね・・・」

(この様子だと

葵巫女様の心配はなさそうだな!

本当に良かった!!」


「さぁ!僕達は

心を込めて晩餐会の準備をしましょう!」


「そうだな!」

クリス王子とアニー3人は協力して

葵巫女が好きなデムの実のサンドイッチを作り

テーブルに並べた

またダイニングに花を添えて

月明りが映えるようにセッティグをし

女子達がお風呂あがりに喉が渇くだろうと

井戸から冷たい水を汲み

万全な準備ができた


「よし!

これで良い!」


「今宵の晩餐会は

女性陣をしっかりエスコートして

疲れがとれるように

寛いでもらおう!」


3人は手分けして無事に

晩餐会の準備を終える事ができた


◇◆


「やれやれ

ようやく準備ができましたね!」


「そうだな!

お疲れのところ悪いのだが

ラック!君にお願いがあるのだが

聞いてもらえるかな?」


「何ですか?」


「実は、晩餐会では

君に妹エルサの隣の席に

座って貰えたら

嬉しいのだが!」


「どうしてですか?」


「どうしてって!

それは・・妹が・・


とにかく頼んだからな!」


「分かりました!」


(まさか・・ラックは

エルサの気持ちに

気づいていないのか・・・

もしそうなら・・・

暫く黙っていよう)


◇◆


「そういえば

葵巫女様とラックは

どういう関係なんだい?」


「どうって・・

そうですね・・

まだ出会ってから

まだ日は浅いですが


葵巫女様は

僕にとってかけがえのない

友人だと思っています!

そしてとても大切な人です!」


「大切な人とは?

どういう意味だい?」


「実は・・葵巫女様は

僕の初恋の人なのです!」


「えっ!

初恋だって?」


「でも葵巫女様は

僕の事はそのようには

思っていない筈です!

だから僕の片思いですかね・・・」


「そうなのか・・・」


「クリス王子も

葵巫女様の事好きですよね?」


「えっ!?


いや・・・・」


「隠さなくても良いですよ!

安心してください!

男性で葵巫女様に魅力を感じない人が

いたらビックリですよ!!

アニーも葵巫女様が好きですよ!」


「アニーもかい?」


「はい!

みんな好きですよ!」


「だから・・・そういう感じです!

雲の上の存在というか・・

みんなの葵巫女様というか・・

分かりますか?」


「うん・・

分かるような気がする」


「それに葵巫女様は

男性に興味がないと思います!

今は、誘拐されたダンさんの事で

頭でいっぱいですから!


それが解決するまでは

どんなに魅力がある男性であっても

相手にされないでしょう!!」


「そうか.....そうなのか・・」

(でも私は何か力になりたい!!」

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