第151話  ヒナタ:薬物依存の更生施設「希望」

ヒナタは

エルサ王女の決意ある発言の後

サクラを抱き、王都会議の様子を

隅に座って聞いていたが・・

いよいよ自分の番が近づいてきている事に

緊張感が走っていた


「さぁ!

ヒナタの番です!

あなたのビジョンを

聞かせて下さい!」


「葵巫女様

私は・・・」

ヒナタは緊張のあまり

言葉が出なくなった・・


「大丈夫!

私が共にいますから・・

気持ちを楽にして・・ねっ?ヒナタ・・」

葵巫女はヒナタに優しくハグをした


「はい・・

葵巫女様・・・」


ヒナタは深く深呼吸をして

意を決して立ち上がった


「私は・・エルサ王女と共に

この国の結婚律を見直せるよう

意識改革をしていきたいのですが・・


まだ市街地南部の上流社会では

根強く悪風習が残っています


それは女性は美しさを求めて

自分を磨き、お洒落をし

より身分の高い人たちとの出会いを求める


しかし上流社会の人たちは

お金にものを言わせて

秩序の乱れを起こしている・・・


初めは、特別感を出し

別世界に来たような高揚感を味わう事ができます

私もそうでした!


しかし幾ら自分の外見を磨いても

人の本質、人間性まで変えることはできない


人の美しさは何をもって

図る事ができるのでしょう!

決してお金で買えるものではない


自分の人間性を磨きたいなら

それは外見だけに目を向けず

自分を低くして、他者を尊重し

もし欠けた所があるならば、助けてあげる

そこに人間力の魅力が備わると私は思っています!


しかし多くの若者達は

お金や権力、地位を手に入れようと

多くの時間を割いてしまう!

そこに自分の価値が決まるかのように思い

惑わされてします!

そしてどんどん人は傲慢になってしまう!


そこに悪根の力が及ぶと

とりかえしのつかない状況に発展してしまう!


人は一度道を外れると

自分自身でなかなか

抜け出す事ができない!


特に違法麻薬が絡むと

泥沼化してしまい

犯罪にまで発展してしまうのです

私も騙されて、一時違法麻薬に手を染めた事があります

すごく後悔しています!


日に日に、自分の心が醜くなっていくのが分かるのです

これまで大切にしてきた

人が持つべき大切な「良心」が欠落してしまう


エルサ王女には

未来ある少年少女達が道を外さないように

良き模範になって頂き


私はすでに道を外している人たちを

立ち直らせ、救済に尽力したい!

そう思っています!

私のように生きる目的を

見失う事が決してないように!


そして・・・違法薬物を扱う

貴族マフィアの取締りが急務です!

どうか法の目を切り抜け暗躍する輩を

早く取り締まってください


そして罪を犯した人たちを

裁くだけでなく、立ち直れるよう導く

支援システムを確立させてください!」


「ヒナタ!

辛い過去があるあなたがこの問題に

向き合うのは、とても勇気がいることだと思います!

しかしあなただからこそ出来る事でもある!

どうか勇気を持ってください!


そして私があなたに何度もハグをして

愛を示したように、あなたの愛で

傷ついた人たちを支えてあげてください!


巫女府はあなたを支えます!

そして犯罪を誘発する輩を

早急に取り締まる事を約束します!


新しい町コッツウォルガには

薬物依存症の更生施設「希望」を建設しています!

どうかあなたが責任者となり

弱さが残る若者達に

道を示してあげてください!」


「葵巫女様のハグは

今でもその温もりは残っています!

巫女様から頂いた大切な精神を

後世に残せるように邁進して参ります!!」


「神よ!

ヒナタを薬物依存の更生施設

「希望」の責任者として任命します!

彼女の活動をお守りください!

そしてこのスンツヴァル王都に流れる

悪の根を完全に断ち切り、若者達が

これ以上惑わされないように!

お助けください!


必ず立ち直る事ができますように!

人生に希望を抱く事ができますように!

お導きください!!」


こうしてヒナタを中心に

薬物依存の厚生施設「希望」が

設立される事になったのである

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