第148話 ガンメル夫婦の決意
ガンメルとルスタ夫婦は
これまでの葵巫女との
関わりの発端を思い出して
胸を熱くしていた・・・
「私ガンメルはもともと
スンツヴァル王都
第9軍隊軍団長として
アダム皇帝に仕えてきました
しかし預言者アブラハ様が
不思議な夢を見られ
それがガデム村近隣で
近い将来巫女様が誕生される!
という頓戸もない預言である事を知り
私と妻は胸が躍りました!
なぜなら我々人類が
数百年待ち焦がれていた
救世主がついにご降誕されるのだ!と
夢のようでありました!!
そこで私はアダム皇帝に進言し
戦士長を辞め
まだ見ぬ巫女様をお守りする為に
ガデム村長として派遣されたのです!
しかし当初
「誰が巫女様なのか?」も分からず
「本当に巫女様が誕生されたのか?」と疑いもしました
当時、葵巫女様自身も
普通の少女だったので
誰も巫女様を巫女様だと分からず
捜し出すことは困難でした・・・
葵巫女様ご自身も自分が
巫女だと自覚は無かったでしょうから・・
しかし神の不思議な導きで
ヨーデル執事より
「父親から暴力を受けている少女の相談」を受け
ガデム村長として
「少女を守りたい!」
という思いが動機となり
村長として保護に力を貸しました
しかし妻であるルスタが
葵巫女様に出会った瞬間!
妻はもともと妖精族の守護者
葵巫女様が普通の少女でない事に
すぐに気付きました!
それでも「まさか巫女様とは」
と疑う気持ちもありましたが
日に日に、葵巫女様の秘めた力が覚醒していき
「巫女様である事の疑いは消え
確信へと変わっていったのです!」
そしてアダム皇帝に
報告してからが大変で
王都は大騒ぎになり
王都中「巫女様誕生!」と
噂が瞬く間に広がっていきました
「ついに数百年
全世界の人々が待ち続けてきた
救世主なる巫女様が誕生されたのだ!!」と
歓喜したのです!
しかし我々は喜びのあまり
巫女様生誕を喜ばない輩がいる事に
もっと警戒すべきであった!と
今思えば、何とも浅はかな対応をしたものだと
深く反省しています!
「赤い星」の手下である
ジキルとハイドも
同じく巫女様の生誕を予期していたからです!
彼らは我々が葵巫女様と気付く
1年も前にリムラ村を廃村へ追いやる
攻撃をしかけていたのですから!
リムラ村が悪種の手の者による攻撃を受け
人々は自分を見失い
人間不信、家庭崩壊し
村としての機能が崩壊させられてしまいました・・・
葵巫女様ご自身も
大変な迫害を受けられ
何度も命を落としそうになるほど
追い詰められてのですから・・・
「葵巫女様!
どうか我らの不徳をお赦してください!」
「何を言うのです?
私はガンメル、ルスタ夫婦そして
ヨーデル執事をはじめガデム村の
ラック、アニー、デル達に
救われ、今の私がいる!
といっても過言ではありません!」
「そしてそんな彼らが
使徒候補として選ばれ
こんなにも活躍してくれている!
私は感謝こそすれ
あなたが謝る事は決してありません!」
「葵巫女様・・・」
「葵巫女様!
今この国スンツヴァル王都は
葵巫女様と勇者ラックを中心に動いております!
そして葵巫女様が来られて以降
これまで深刻化していた
諸問題が次々に解決され
新たな使徒誕生も間近であり
次世代を担う若者達が育ってきています!
クリス王子、エルサ王女を代表とし
この国がかつてないほどの
改革がなされているのです!
何と素晴らしい事でしょう!!
私ガンメルと妻ルスタは
葵巫女様が発案された
利息規制法の法律改正の執行人として
スンツヴァル王都全国民を守り
新たな法のもと、弱者の立場の人たちを救うこと!
そして彼らが自立した社会生活が送れるように!
お仕えして参ります!
「ありがとう!
ガンメル、ルスタ
これからも宜しくお願いします!」
「はは!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。