第132話 ヒナタの告白②

葵巫女は礼拝堂を去る前

罪を贖う聖典の言葉を語った


「神よ!

私達をお守りください!

私はあなたに身を避けています

私は主に申し上げます!


『あなたこそ私の主

私の幸いはあなたのほかにありません!

あなたは私にいのちの道を知らせてくださいます

満ち足りた喜びが、あなたの御前にあり

楽しみが、あなたの右にとこしえにありますように!』

(Bible引用)


人々は語り草に言う

「人生に変革を望み

新たな希望を欲しているなら

訪れよ!そして求めよ!!神が住む地へ」


こうしてリバイバルの火は

燃え続けて行き

やがて他国の巡礼者が

多く訪れるようになり

毎日救いと癒しと

人生の変革がもたらされていった


■□■◆◇


その晩

葵巫女達はMIKOハウスで

夕食後の団欒の時をもっていた


「葵巫女様

そろそろよろしいですか?」


「ヒナタ!

本当に大丈夫ですか?

無理をしなくても良いのですよ!」


「大丈夫です!

私は完全に立ち直りました!

全て葵巫女様と

ここにいる皆さんのお陰です!」


「ヒナタさん!

何があったの?」

アニー達は心配そうに見つめていた


「今回の市街地の騒乱があり

人々が混乱状態になった後

私達は一人ひとりに手を置き

お祈りしましたね!


私はこれまで人の為に

祈った事は殆どありませんでした!


しかし「祈りは力」ですね!

今回改めて祈りの凄さに

気付かされたました!

葵巫女様がいつもおっしゃたように

「人の為に祈ること程

尊い祈りはない!

そして与えた分、自分に返ってくる」

これは本当だと思います!

彼らの為に祈る時、私は自分の心が

癒されていくのを感じました・・


そして彼らが罪を

悔い改めをした内容

それは「この街に浸透している強い偏見問題」


このスンツヴァル王都において

社会が作り出した

「真面な生き方」ルールから

外れてしまった弱者に対して

これまでこの国は、それが法令違反であれば

風当りがとても強く、ヤジが飛び

「この街では生きていけない!」

追い詰められてしまう!

生きる希望さえ失ってしまう!

そういう風潮が強くある社会です!


私がそうでした・・・

「私は大きな罪を犯したのです!」


そして死に場所を求めて

彷徨っている時に

大怪我を負い、アニー達に助けられました


そして葵巫女様に出会った


私は、最初は

葵巫女様の優しさが、嬉しい反面

息苦しく、素直に受け入れられない

窮屈さを感じていました


それは私の中に罪が

残っていたからです


しかし葵巫女様が毎日

優しく語り掛け

ハグしてくださり

私はどれだけ心に深い安堵感

平安、安らぎを与えられたか・・・

葵巫女様は、私の魂の!

いえ命の恩人です!!


そして私の内にある

死の恐怖は消え去りました・・


そして礼拝堂で彼らが語った

あの言葉!


■□■◆◇


『我々は変えられたいのです!

人生を変革させたい!!

これまで表面的には誠実な

歩みをしていた者がほとんどですが

心の中では、高慢で、弱者を見下し

自分勝手な歩みをしていました!

偽善者であったことが

最も重たい罪であると思っています!

もうこれからは偽善者でありたくない!

ありたくないのです・・・・』


■□■◆◇


「私は救われる思いがしました!

私が一番聞きたかった

言葉だったからです!」


「神様!

ありがとうございます!

このような罪深い者にここまで

憐みの御手を差し伸べてくださるのですか!」

私は涙がとめどなく流れました


「その瞬間!

私はこれまで超えられなかった壁を

超えられたのです!


聞いてください!

私の人生を!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る