第79話 ガンブリヌスカフェ

「葵巫女様

先日お伝えした

市街地の情報に詳しいマスターが経営する

ガンブリヌスカフェにはもうすぐ到着します!」


葵巫女とラック、アニー

デルとシズ、ヘルド5名は

ベアトリスに連れられ

「ガンブリヌス」というカフェまでやって来た


「葵巫女様

このカフェは出会いの場として知られ

家族や友人、恋人との絆を深める場でもあります!


そして今王都で何が流行し

人々は何に関心を抱いているのか?

また人生について互いに論じ合い

生きる目的や意義を確認しあえる

有意義な時間が過ごせる

『憩いの場』となっています


このカフェに来ることで市街地の全貌と

都民の関心事すべてを

把握できるといっても過言ではありません!


しかし最近は

色々な問題が起きているようで・・・

詳しくはマスターにお聞きください!」


■□■◆◇


「こんにちはマスター!」


「よぉ!

ベアトリスじゃないか!

巫女府で忙しく働いているって

風の噂で聞いていたぜ!

本当久しぶりだなぁ!

元気だったかい?会えて嬉しいぞ!」


「ええ!

マスターも元気そうね!」


「いや・・そうでもないんだよ!

最近客足が減ってきて

経営が厳しくなってるんだよ!」


「あんなに流行っていたカフェなのに?

どうして?」


「それは・・・・

いろいろあってねぇ。。


おや?

そちらは初めて見る顔だね!」


「はじめまして!

マスターさん

わたしは葵と言います!」


「よく来たね!

葵ちゃん!市街地は初めてかい?

一緒に来た友達も初めてのようだね!

歓迎するよ!

ガンブリヌスカフェへようこそ!

ゆっくりしていってくれ!」


「ありがとうございます!」


「しかし君は・・・

不思議な魅力のある子だね・・

透明感があり、目力があり

とてもキュートだ!

モデルさんか何かかい?」


(カフェには大勢のモデルが来るが

この子は他の子と違う何かが・・・)


マスターは

マジマジと葵を見つめていた


「ベアトリス!

この子は、どういう子なんだ?

気品があり、高貴な方なのは分かるが

どこぞや貴族のご令嬢か何かでは?」


「いえ妹の友達です!」


「そうかい?」

(マスターは暫く考え込むと・・)


「君!来月開催される

美少女コンテストを知ってるかい?


もしまだエントリーしていないなら

参加してみてはどうだい?

ワシはコンテストの委員なんだが

委員の推薦があったら

特別枠で参加できるんだが、どうだい?

優勝したら、ヴォーガ専属モデルになれるんだよ!」


「そうなんですか?

少し考えてみます!

ありがとうマスターさん!」


(えっ!?葵巫女様・・・

もしかして参加するんですか?)

ベアトリス達は葵が本気で参加するのでは?と

冷や冷やしていた(汗)


「そうかい?

君ならいい線行くと思うんだが!」


「それよりマスターに

聞きたい事があるのですが・・・

お時間頂けますか?」


葵巫女が要点をまとめて質問した


■□■◆◇


「君・・・葵ちゃんって言ったね?


まだ若い君がどうして

王都が抱えている問題に関心があるんだい?


アダム皇帝やドルモンド館長でさえ

傍観し、手をこまねいているんだよ!」


「マスターさん!

私思うんです!

若いからこそ、何事にも臆せず

大胆になれる!

そして可能性は大きいんだ!と


一人の力は小さくても

みんなで力を合わせれば

どんな事でも成し遂げられる!


私はそう信じています!!」


葵は巫女という立場を隠していたが

巫女が持つ力が

マスターの心を捉えるのに

時間は掛からなかった・・・・


「君は・・・誰だ?

私は最初、君の外見に目を奪われたが・・・


今は違う!あなたの・・・

いやあなた様の秘めた力

存在感は・・・

崇高な気品を感じる!!

もしかしたら巫女様ですか!?」


『巫女様!!!

大変失礼致しました!

これまでの無礼の数々をどうかお許しください!!!』

(マスターは酷く驚き、葵巫女に跪いた)


「マスター!

頭をあげてください!

わたしはあなたと話がしたいだけなんです!」


「巫女様

ここでは大勢の目があり、不穏な輩もいます

あなた様に危害が及んではいけませんので

どうか別室へお越しください!」


(葵達一行は

カフェ2階のVIPルームに案内された)


■□■◆◇


「葵巫女様

王都の社会問題についてでしたね!


実は・・・

王都の都民の多くが

歪んだ欲望が芽生えるように

悪質な情報操作がなされ

自分を見失っている若者が増えております!


しかし欲望の抱き方が普通ではないのです!

何がそうさせるのか?

かなり深刻な状況です!」


(悪種の力の影響ね!

しかしどうやって情報操作を?)


「マスターは誰が黒幕だと思いますか?」


「私が思うには・・・」


その時、カフェ1階で怒鳴り声が聞こえた


「何事だ!!」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る